年間最高試合賞(ベストバウト)は、2月12日のノア日本武道館大会で行われたGHCヘビー級選手権、潮崎豪(39)対武藤敬司(58)に決定した。武藤の同賞受賞は2011年以来10年ぶり3度目、潮崎は初受賞となった。ベテラン同士の重厚なファイトが2021年のプロレス界を魅了した。
ベストバウトに選ばれたのは、武藤が史上3人目となる主要3団体シングル王座制覇を達成した潮崎とのGHCヘビー級王座戦だった。
団体として10年ぶりの進出となった日本武道館大会のメインで行われ、武藤が2018年3月に両ヒザの人工関節置換術を受けて以来となる月面水爆の体勢に入るも、飛ぶのをためらい話題になった。潮崎の逆水平チョップ、ラリアートなどで追い込まれた武藤が最後はフランケンシュタイナーから押さえ込み、歓喜の3カウントを奪った。
飯伏幸太の欠場により、試合当日に挑戦者が棚橋弘至に変更になった鷹木信悟とのIWGP世界ヘビー級王座戦と決選投票の末、過半数の11票を獲得。特別選考委員の蝶野は「今の若い世代のハイスピードレスリングとは全く違う、昭和、平成のプロレス。こういう試合はもうなかなか見られない」と絶賛した。
武藤は「ある意味、ノアでの俺の地位、立場を上げてくれた。潮崎の強さが俺を導いて、覚醒させてくれたというか。チョップがいてえんだよ。橋本(真也)と同じで『よくまあ、あんなに人を殴れるなあ…』って思う」と苦笑い。58歳での同賞受賞は快挙だが、上には上がいる。ベストバウトの最年長記録は2015年に受賞した天龍源一郎でこの時なんと65歳。武藤も還暦目前だが「ムーンサルトのことだけじゃなくて、最後のフランケン(シュタイナー)も昔に比べたら(高く)跳ねてないわけだ。そういうところも含めて評価されたことこそ、プロレスが体力や若さだけじゃない、素晴らしいもの、アートなんだと思う。あとMVPは来年の活力になるな」と59歳でのMVP奪取に目を輝かせる。
一方の潮崎は「自分の中でGHC王者として自信と誇りをもって戦いました。負けたので悔しいけど、受賞できたのは光栄です。試合を通じて〝武藤敬司〟というものを感じることができた。最後の最後に引き出しを開けるすごさを感じた試合でした」と相手を称賛。来年に向け「勝ってベストバウトを受賞してMVPも狙いたい。元日の(日本)武道館大会もありますから。自分にとってもノアにとってもプロレス界にとっても最高のスタートを切って22年は今年以上にハッピーな年にしたいです」と拳を握り締めた。












