ジャパン女子プロレス、LLPWで活躍した元女子プロレスラー風間ルミさん(本名斉藤ルミエ=享年55)の訃報を受け、女子プロ界のカリスマ・長与千種(56=マーベラス)が本紙の取材で哀悼の意を表した。

 開口一番「青天の霹靂。心が痛いよ。盟友が虹の橋の方に向かったのかなと思うと、今でも信じられない」と口にし、突然の死を受け入れられない様子だった。

 2人の出会いは、風間さんが1982年にキックボクサーとしてデビューしたころ。当時の長与は全日本女子プロレスに所属していた。

「とにかく優しい人で、笑顔がすてきな人だった。彼女と仁あきらが、シュートボクシング女子の礎を築いた。あの2人がいなければ今のシュートボクシング女子はなかったよね。今はRENAちゃんとかすごいけど、そこにつながる歴史をつくった。私は仁あきらと風間ルミが最強だと思っていたから。蹴りがしなるようなムチだから」と振り返る。

 その後、風間さんはジャパン女子を経て、LLPWを旗揚げ。社長兼レスラーとして活躍した。「まさかプロレス団体に入るとは思わなかった。うちは全女だから〝敵〟としての盟友になった。そして友達のルーちゃんから風間代表になった。思いやりの深い人だったから、LLPWを仕切るには適任だったよね。昔から芯がしっかりしていたけど、知らない一面を見るくらいしっかりしていた。幸か不幸かリングで戦うことがなかったから余計、風間代表としての一面とお友達のルーちゃんとしての一面が極端なんだよね」

 ここ最近は交流がなかったが、風間さんが飲食店を経営するなど多岐にわたり活動していたことは耳にしていた。「私もしっかりしなきゃと思った。本当にいつ何が起きても分からない年齢にきているわけじゃん、みんな。(風間さんは)志半ばだろうなって。フットワークのいい人だから、もっともっとやりたいことがあったんだろうなと思うと心が痛いよね」

 最後は「もうプロレスラーが『ご冥福をお祈りします』と言うのは嫌だよ。一番つらい言葉。祈りたくないよ。これが嘘なら許すから」と声を絞り出し、静かに故人を追悼した。