日本プロレス界約70年間の悲願だった「殿堂会」がついに実現する。日本プロレス殿堂会実行委員会が20日、東京・港区のザ・オークラ東京で会見を行い「日本プロレス殿堂会」(東京スポーツ新聞社特別協力)と「同サポーターズクラブ」の発足を発表した。

 運営の中心はミスタープロレス・天龍源一郎(70)の愛娘で天龍プロジェクト代表・嶋田紋奈氏(36)、革命戦士・長州力(68)の義理の息子・池野慎太郎リキプロ代表取締役(32)、そして今なお現役を続ける炎の飛龍・藤波辰爾(66=ドラディション)の長男でプロレスラーのLEONA(26)による「二世会」となる。

 昨年夏から3氏による話し合いが持たれ、偉大なレジェンドを父に持つ同士で、その功績をたたえる会はできないかとの議論を重ねた。その結果「日本にプロレスという文化を伝承してきたレジェンドをたたえ、現在活躍する選手の引退後の保障など中立的に支持できる組織をつくりたいという思いに至りました」(嶋田氏)という。

 賛同する団体は新日本プロレス、全日本プロレス、大日本プロレス、DDT、ドラゴンゲート、プロレスリング・ノア、2AW、W―1など国内ほとんどの団体。個人としては燃える闘魂ことアントニオ猪木氏(77)、故ジャイアント馬場さん(享年61)の肖像権を管理する株式会社H.J.T.Production代表取締役の緒方公俊氏(32=馬場さん夫人の故元子さんの又甥)、天龍、長州、藤波がここに加わる。

 22日正午から「日本プロレス殿堂会サポーターズクラブ」ホームページを開設(日本プロレス殿堂会で検索のこと)。サポーター会員を募って運営資金に充てる方針。将来的にはレジェンドへの報酬、現役選手に対する保障制度の確立を目指す。公式イベントとしては今夏に都内で「プロレス展」を開催。記念すべき第1回は「アントニオ猪木写真展」(場所日時は後日発表)が決定している。

 天龍は「保障制度の問題は先輩方々が取り組んで実現できなかった。僕らの次の世代で完全に確立できるよう力になりたい」と力強く約束した。

 2日前にWWEの中邑真輔(40)と食事をともにしたという長州は「真輔は家族や子供の問題というプレッシャーや責任感と戦ってニューヨーク(=WWE)でトップになった唯一の日本人選手。(保障問題の確立についても)真剣に考えていた。昭和の時代から何度も立ち上がっては立ち消えになった企画。それを自分らの子供たちが実現に動いているという事実は感慨深いし(殿堂会の)背中を支えたい」と語った。

 また2015年に猪木氏に続いて日本人2人目のWWE殿堂入りを果たした藤波は「ホール・オブ・フェイムという名誉がいかに偉大で、WWEの組織がどれだけしっかりしているかということは、息子(LEONA)も見ている。日本プロレス界にとって大きな貢献ができる組織だと思います」と唯一の現役選手らしく、腕に力を込めた。