【取材のウラ側 現場ノート】ジャンルを問わず、ベテラン勢が元気だ。サッカーではJ1横浜FCのカズこと元日本代表FW三浦知良が19日の横浜M戦に途中出場し、自身が持つ最年長出場記録を53歳9か月23日に更新。野球界ではかなわなかったものの、大リーグのメッツなどで活躍した新庄剛志氏(48)が現役復帰を目指して12球団合同トライアウトに参加し話題となった。プロレスではノアで武藤敬司(58)が、DDTで秋山準(51)が大活躍。来年2月にそれぞれの団体のシングル王座挑戦が決まっている。

 そんなベテランに注目が集まる流れが格闘技界にも訪れつつある。大みそかの格闘技イベント「RIZIN.26」(さいたまスーパーアリーナ)で、かつて業界をけん引した大ベテランたちが復活をかけてビッグマッチに臨むのだ。

 まず、皇治(31)とボクシングルールに近いスタンディングバウトで激突する五味隆典が42歳。そして2016年リオデジャネイロ五輪レスリング男子グレコローマン59キロ級銀メダルの太田忍(26)のデビュー戦の相手を務める所英男が43歳だ。その2人よりさらに年上で、試合2週間後の来年1月12日には45歳となるミノワマンは今年大相撲から転向した元十両の貴ノ富士ことスダリオ剛(23)の相手を務める。

 かねて〝超人〟を自称し、無差別級の戦いを信条としてきたミノワマンは年齢について「今までは体重の無差別級で戦ってきましたけど、そこに年齢というものもあって面白いじゃないですか。この年齢になっても総合格闘技はできるんだ、というのを見せたい」と臆するどころかウキウキしながら力説。

 さらにその闘志は衰えることを知らず「最近の格闘技ファンは生で無差別級の戦いを見たことがない人も増えている。でも、格闘技の醍醐味って無差別級の戦いにあるんですよ。(30キロ近い体重差のある)今回はその面白さを伝えたい。そして第2回スーパーハルクトーナメント開催につなげたい!」と目をぎらつかせた。年齢を超えた戦いに挑めるかどうかはメンタルの部分が大きいといわれるだけに、期待が高まるところだ。

 ベテランが躍動する流れは格闘技界にも押し寄せるのか。大舞台で見せる3人の〝生きざま〟に注目したい。

(格闘技担当・前田 聡)