次なるステージへと導く!! K―1のエース武尊(28)が、年間最大イベント「K’FESTA.3」(3月22日、さいたまスーパーアリーナ)で自身初のダブルタイトル戦に臨む。新日本プロレスのIWGPヘビー級とIWGPインターコンチネンタル(IC)のダブル王座戦(5日)から刺激を受けたことで、今年初戦に快勝後は“聖地”帰還を目標にK―1をけん引する。

 K―1スーパーフェザー級王座を保持する武尊は、ISKA世界ライト級王者アダム・ブアフフ(29=モロッコ)とそれぞれのタイトルをかけて激突する。両タイトルのダブル王座戦は初で「もし負けたら、K―1のベルトが海外に流出してしまう。必ず勝って、最後にリングに立っていたい」と拳を握った。

 ブアフフはISKAの他にWKU世界スーパーフェザー級、TAKEDOWN FCスーパーフェザー級のベルトを持つ3冠王。戦績は15戦15勝(9KO)で変則的な蹴りを得意とする強豪だが、「KOは一番見せたいし、初めて見る人たちにK―1の魅力が伝わる試合をしたい」と誓う。

 ダブル王座戦といえば、新日プロの東京ドーム大会でも行われたばかりだ。IC王者の内藤哲也(37)がIWGP王者のオカダ・カズチカ(32)を下して、初の2冠王となった。武藤敬司(57)とも親交が深く、プロレス界の情報に精通する武尊は「やってましたよね。知ってます。自分もあれくらい盛り上がる試合を? はい、それはもちろんです!」と声を弾ませた。

 特に注目したのが新日プロの観客動員力だ。「2日間で合計7万人ですよね。それくらいを動員できる団体にK―1をしたい。プロレスのようなビッグマッチができるようになりたい」。旧K―1は幾度も東京ドーム大会を開催し、2002年の「K―1 WORLD GP 2002 決勝戦」では7万4500人を動員したこともある。決して夢物語ではないと感じるからこそ「プロレスはやはり、エンターテインメントのトップだと思いました。見習うところがいっぱいある。K―1の試合の中にプロレスの要素を入れることはできるし、僕はそういう戦いをしたい」と言葉に熱を込めた。

 今年は東京五輪イヤーということもあり、エースとして先頭に立つ意識が高まっている。「ラグビーW杯が盛り上がっている時もジェラシーしかなかったし、五輪にも同じ思いがあって。五輪を超える大きい大会を実現させたい」ときっぱり。「一年が終わった時に完全燃焼できたな、と満足できる年にしたい」。さらなる高みを目指し、20年も全速力で突っ走る。