打倒・ヤクルトの前に鯉アレルギーを払拭できるか。2位・阪神が5日の広島戦(マツダ)に3―2で競り勝った。

 この日はチームトップの22本塁打、71打点の主砲・大山悠輔内野手(27)をコロナ感染で欠いたものの、代わって昇格したロハスの5号弾などで3得点。先発・西勇が6回途中2失点と粘り、継投で逃げ切った。矢野監督は、1点差の終盤を踏ん張り続けた4人の中継ぎ陣に「もう頭が下がるというかね。これがウチの特徴というかパターンだけど、もうちょっと点を取りたい」と感謝した。

 残り42試合。9・5ゲーム差の首位・ヤクルトを追う一方、軽視できないのが、広島の存在だ。今季は3勝11敗2分けと大きく負け越す〝天敵〟で、甲子園で1勝5敗1分け、マツダでは2勝6敗1分とやられており、CSを見据えた上でも、赤ヘルへの苦手意識は改善しておきたい事項のひとつでもある。

「そこまで苦手にするイメージはないんだけど、ほんのちょっとのところ。あそこで一本出ていればとか、守りきれていればとか…。かみ合わせが悪いんだよね。まあ〝たら、れば〟が多いのは、それだけ勝つチャンスを逃しているということでもあるんだけど…」

 チーム関係者もそう首をかしげる通り、リーグナンバーワンの防御率2・54の投手陣も、対広島戦防御率3・06と大いに苦手としているわけでもなく、チーム打率2割3分8厘の打線も、他チームと比べ極端に低いわけではない(対広島戦は2割2分)。

 ただ、11敗のうち1点差負けが5度(勝ちは2)、2点差負けが2度(勝ちは0)と、ことさら対赤ヘルに関しては〝勝負弱さ〟が目立っていた。逆にこの部分が改善すれば、直接対決の形勢も逆転する可能性は大だ。

 対広島戦の得点35は、対戦カード別では最も少なく、1試合あたりの平均得点は2・19。指揮官の言葉通り、鯉アレルギー払拭は猛虎打線の今後の奮起次第か。