大リーグ・レッズを退団しウエーバー期間後の動向が注目される秋山翔吾外野手(33)について、古巣・西武の出方が注目されている。

 すでにパ・リーグ首位を走りながら、栗原陵矢外野手(25)を左ヒザの大ケガで欠くソフトバンクが「コメントすることはありませんが、状況は見守っています」(三笠GM)と獲得へ向けた調査を示唆している。

 一方で、秋山の生の状況をどこよりも正確にキャッチできるポジションにいる古巣・西武の渡辺久信GM(56)は、秋山が開幕ロースターから外れた5日に「まだ何も決まっていない。秋山の気持ちもある」と発言している。

 2019年オフにメジャー挑戦の思いをくみ、快く米国に送り出してくれた秋山の恩人。「ライオンズの誇りを持ってアメリカへ行ってきます」と旅立った秋山にとっては、決して足を向けては眠れない人物だ。

 その渡辺GMが「ウチはない」ではなく慎重に秋山の意思、動向に配慮しているというのは、国内復帰が選択肢にあるのなら獲得に動く可能性はゼロではないということ。

 秋山が移籍して以降の西武は「1番・中堅」が固定できない一方で鈴木将、若林、岸といった将来を嘱望される若手外野陣への世代交代が大きな課題となっている。

 秋山の獲得はその若手育成にフタをしかねない懸念の一方で、実績を残したチームのレジェンドから直接その極意を見て学べるメリットもある。

 また西武からメジャーに挑戦した選手には、2003年にメッツへ移籍した松井稼(現一軍ヘッドコーチ)に始まり森慎二(05年→デビルレイズ)、松坂(06年→レッドソックス)、中島(12年→アスレチックス=現巨人)、牧田(17年→パドレス)、菊池(18年→マリナーズ=現ブルージェイズ)、秋山(19年→レッズ)らがいるが、メジャー挑戦を終え国内復帰したOBが直接、西武に復帰した例はまだない。

 そのジンクス打破を含め渡辺GMの動向が注目されている。