中日・平田良介外野手(33)が入手困難なアオダモ製のバットで復活の兆しを見せている。

 愛知・豊田市内のグラウンドなどで18日に自主トレを公開。ロングティーでは鋭いスイングで場外弾を連発し、快音を響かせた。「バットが帰ってきた。プラス体幹も強くなって体も使えているので、飛距離も確実に伸びている」と手応えを口にする。

 メーカーが奔走し確保してくれたおかげで、昨季まで使用してきたメープルやアッシュではなく、今季から3年ぶりにもともと愛用していたアオダモ製のバットで臨めることになった。

 オレンジ色の相棒に対しての情熱は止まらない。「自分のバットで打撃ができるのがすごくうれしい。ゴルフのシャフトならカーボンとステンレス、卓球のラバーなら粒高とつるつる(アンチラバー)ぐらい違う。この3年間はマスコットバットで打っていた感じ。(アオダモ製は)バットの出方が違うし、勝手にしなってくれてイメージしたところに出せる。打っていて楽しい」と笑みを浮かべる。

 昨季は7月に異型狭心症を発症するなど21試合の出場にとどまり、悔しさを味わった。「病気になって、ろくに野球ができなかった。野球のシーズンというよりは本当にプロ野球選手なのかなという疑問が生まれたのが2021年の僕の生活だった」と振り返る。

 今年の目標は「全部のプレーで野手の顔になれるように。レギュラーを捕ってまた花を咲かせたい」ときっぱり。ファンへ向けて「ずっと平田良介を応援してくれている方々を待たせている。まだ出てこんのかという状態だと思うので、はよう皆さんのところに帰って来たよ、というところを見せたい」。

 体調万全で〝相棒〟さえ戻れば、まさに鬼に金棒。今季の復活に期待がかかる。