V奪回の可否は今オフの自主トレで決まる!? 巨人投手陣が早くもピリピリムードに包まれつつある。最大の理由は新たに統括責任者となった桑田真澄投手チーフコーチ(53)が掲げた理念だ。先発ローテーションを中5日や中4日で組むことを全面的に肯定したことに加え、制度上の要因からも選手の意識改革と肉体の徹底強化の必要性が叫ばれている。


 10日に行われた契約更改交渉では2019年のドラ1右腕・堀田ら9選手がサイン。堀田は一軍未登板のまま入団1年目の昨年4月にトミー・ジョン手術を受け、来季は育成からの巻き返しが期待されており「一軍のマウンドで投げることを目標に、それが達成できたら結果も求めてやっていきたい」と意気込んだ。

 ただ、堀田に限らず、投手陣に対してはチームスタッフから「選手たちは自主トレから根本的に意識を変えて取り組んでいかないと、来年とんでもないことになる」と警鐘が鳴らされている。一つは桑田コーチが示した持論。チームが今季終盤に失速した一因とされたのが、先発5人で中5日や中4日のローテを組んだことだった。しかし、桑田コーチはこれに真っ向から異を唱え「(中5日などで)投げられない人は、プロ野球選手にならない方がいい。まあ、力不足ですよ」と斬り捨て「投手陣をしっかり鍛えていきたい。キャンプでやりたいことは、ある程度固まっています」とも予告した。

 だからこそ「実際にそうなるかは別として1年間、中4日とか中5日で投げることを想定して、自主トレから準備をしないと体が追いつかない」(前出スタッフ)と声を大にする。別のチーム関係者は「来季も9回打ち切り制になるとは限らない。今年と同じだろうと思ってやっていたら大変なことになる。中5日なら100球、中6日なら最低でも6~7回を120球。これを1年間やり続けるぐらいのつもりで練習してこないと」と別の視点から今オフの自主トレの重要性を説く。

 新型コロナ禍の影響から、ここ2シーズンは試合時間短縮の観点から9イニング制が採用され、延長戦は行われなかった。もちろん今後も予断を許さないが、一時に比べれば新型コロナの感染者数は減少し、緊急事態宣言も発令されていない。先の日本シリーズでは延長戦が〝復活〟し、規制緩和の動きも出始めている。

 いずれにせよ、桑田コーチの理念が現実のものとなろうが、ルール変更が行われようが、G投陣は自主トレから鋼の体づくりが不可欠となりそうだ。