炎上は痛いが、手放しかけた逸材を守る理由にもなる。米メディア「ファンサイデッド」運営のドジャース専門メディア「ドジャース・ウェイ」は23日(日本時間同日)、ドジャースのエメット・シーハン投手(26)の不振が、逆に迫るロースター判断を容易にしていると報じた。ナ・リーグ西地区首位を独走するチームにとって先発陣の乱れは頭痛の種だが、見方を変えればリバー・ライアン投手(27)をトレード要員として放出する選択肢にブレーキをかける材料にもなる。悲観一色ではない。

 シーハンは5月31日(同6月1日)時点で防御率4・70。6月1日(同2日)以降は同7・31まで悪化した。同メディアが「これまでで最悪の登板だったかもしれない」と位置づけたのが、21日(同22日)のオリオールズ戦(ドジャースタジアム)だ。3回1/3を投げ、8安打2本塁打3四球6自責点。チームも1―12で大敗し、ローテーションの座は安泰とは言いがたくなった。

 そこで存在感を増すのが、傘下3Aオクラホマシティーで控えるライアンだ。直近登板ではジャイアンツ傘下3A相手に打ち込まれたものの、今季はK/BB(奪三振/四球比率)5・38を記録。100マイル(約161マイル)超の速球も健在で、同メディアはシーハンの代替候補として真剣に検討すべきだと指摘している。右腕は2024年8月に右肘手術を受け、25年を棒に振っただけに球団は投球回管理に慎重だが、スネル、グラスノーも故障離脱中。悠長に待つ余裕は薄れている。

将来有望ながらトレード要員候補に名が挙がるドジャース・ライアン(ロイター)
将来有望ながらトレード要員候補に名が挙がるドジャース・ライアン(ロイター)

 今夏の補強市場では、タイガースのタリク・スクバル投手(29)の獲得を狙う際の交換要員としてライアンの名前も取り沙汰されてきた。ただ、シーハンが踏ん張れない現状は「出している場合ではない」と腹をくくる根拠にもなる。まず昇格させて先発で試し、スネルやグラスノー復帰後はブルペンに回して負担を抑える。目先の穴埋めと秋への備えを同時に進められれば、まさに一石二鳥だ。

 シーハンにとっても、マイナーで立て直す時間は悪い話ではない。首位独走の余裕を生かしながら、放出候補だったライアンを戦力として再評価する。不振が生んだピンチは、ドジャースにとって有望株を手元に残す〝前向きな踏ん切り〟へ確かに変わり得る。