歓喜の瞬間まで勝ち続けそうな勢いだ。ソフトバンクが23日の西武戦(ペイペイ)に8―1で快勝。12連勝でマジックを4とした。3年ぶりのリーグ優勝は目前。工藤監督は「当然、選手も意識をするだろうが、明日も勝てるようにチームで一つになって戦いたい」と気持ちを高ぶらせた。

 ついにはV日程でセ・リーグを大独走していた巨人を抜いた。破竹の連勝で最短Xデー25日のまま突き進んでいる。てんやわんやとなっているのが球団サイドだ。連勝開始時は2位・ロッテと0ゲーム差。終盤に6試合も直接対決を残しているとあって、長期戦が予想されたからだ。

 それが電光石火のVロードだ。営業関係者は「こう言っては何ですけど…。もう少し時間が欲しいのがホンネです。まさかこんなに速いとは。球団内の調整、テレビ局との調整。今、福岡はてんやわんやですよ」と苦笑いを浮かべた。優勝の瞬間から売り出すVグッズの一部が間に合わない可能性も出てきている。

 さらにいえば、歓喜の瞬間に行われる胴上げの可否も、最短Vが2日後に迫った23日の試合後の時点で最終決定していない。ちなみに巨人は通例通りやる予定で、鷹サイドも待ったなしの状況だけに24日のうちには決めるとのことだが――。

「CS、日本シリーズが控えている中で、一部選手から辞めておこうかという意見を聞いています。全部が終わる日本一になった時に取っておこうと。チームでも長谷川選手がシーズン途中に(新型コロナに感染して)自宅待機で苦しい思いをしましたから。ただ、これもバタバタですが、どうするかは近々に選手側の最終的なまとまった意見を聞いてからになります。最高の喜びの瞬間でもあるわけですからね」(球団フロント)

 強い工藤ホークス。周囲がうれしい悲鳴を上げるほどの猛烈なラストスパートだ。