発言の背景には何があるのか―ー。27日に西武・松坂大輔投手(39)が12球団が同時に活動を停止する必要性を訴えた。

 阪神・藤浪を含む3選手が新型コロナウイルスに感染していたことを受け、こう発言した。

「(今の状態を)落とすわけにはいかないですけど、やるならみんな同じ条件でやるべき。やっぱり阪神がああいう状況になって試合ができないわけじゃないですか。そこは(感染者が)出たからそこのチームだけとかじゃなく、12球団が足並みを揃えてやるべきなんじゃないかと思います。(練習、練習試合が)できなくなったらなったでそれなりのやり方を考えます。やるに当たってみんな同じ条件でやるのがフェアなんじゃないですかね」

 その背景には松坂自身の家族が、米国で厳しい制限のもとで生活していることもありそうだ。日本の「自粛要請」よりも強制力のある「外出禁止令」下の米ボストンで、今も家族は不自由な生活を送っている。

 市内すべての学校の休校は5月4日まで延長が決まり、ダウンタウンは一斉休業でガラガラ。必要な買い物やジョギングなどの運動の制限はないが「家族など同居人以外の人との接触は禁止」との通達がマサチューセッツ州から出されていることで友人、知人との接触もできない状況だ。

 そんな米国的判断の根底には、今は野球よりも個人、家族の命を感染リスクから守ることが最優先という価値観がある。MLBも今月中旬早々にキャンプ、オープン戦を一斉に打ち切り。有無を言わせずキャンプ施設をロックアウト、選手らを自宅のあるホームタウンなどに帰宅させるなど、コミッショナーが強力なリーダーシップを発揮し迅速な対応を見せている。

 MLBで8年間プレーし今でもつながりの強いレッドソックス時代の関係者もいる松坂。12球団、そしてNPBは阪神の活動停止を受けて大きな決断を迫られている。