広島・佐々岡真司監督(52)が“コミュ力発揮”でチーム力アップを狙っている。宮崎・日南市での春季キャンプは7日に第2クールがスタートし、主力級の打撃投手登板も始まった。先発ローテ入りを目指す床田は会沢や鈴木誠らに切れ味鋭いボールを投げ込み「ブルペンより良かった。いい球をより多く投げていきたい」と手応えを口にした。

 先発ローテ入り確実の野村が右ふくらはぎ痛のためリハビリ組に回っているだけに左腕の好投にひと安心…かと思いきや手放しでの賛辞はなし。「(手を)すぐに抜いちゃうタイプ。ハッパを掛けながらやっていきたい」と締めた。5日のシート打撃では期待する遠藤&山口の20歳右腕コンビがパッとしない状況とみるや「秋に見せたいいものが出ていない。スピードもキレもない」とバッサリ。ソフトバンク・千賀のフォームを参考にする遠藤には「名前を出すのは千賀君に失礼」と辛辣だった。

 しかし、辛口だけで終わらないのが佐々岡流だ。山口や遠藤と個別に話をし、エールを送るなど“アフターフォロー”に抜かりはなし。今回の床田に関しても期待の裏返しだ。指揮官自身、現役時代は超体育会系でバリバリの上下関係のなかで生き抜いてきたタイプだが「厳しさも必要だが、今の子はそれだけではやっていけない」と若手選手に合わせたタクトを駆使している。

 この日、本格的にリハビリを開始した野村には「俺は(同じケガを)引退後にやったわ、ゴルフやっているときに。そのときは4日で治ったぞ」と独特のゲキを飛ばした。アメとムチを巧みに使い分ける佐々岡監督なりの人心掌握術に注目だ。