
偉業達成は3度目の持ち越しだ。エンゼルスの大谷翔平投手(28)は3日(日本時間4日)に本拠地アナハイムでのアスレチックス戦に「2番・投手兼DH」で先発し、5回2/3を1被弾を含む7安打3失点(自責点2)、7三振1四球で7敗目(9勝)を喫した。打者25人に99球で、防御率2・83.あと1勝に迫っている1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」はお預けとなった。打者では3打数無安打で7回に代打を送られて退いた。打率2割5分3厘。チームは1―3で敗れた。
さすがに狙われた。1―1の6回無死一塁で打席は4回に先制適時打を打たれたマーフィーだ。カウント2―1からの4球目、真ん中に甘く入ったスライダーをライナーで左翼席に運ばれた。勝ち越し2ランだ。この日は、立ち上がりからスライダーに極端に偏った配球だった。
結局、99球中61球、実に62パーセントを占めた。直球は20球(20パーセント)、スプリットは6球(6パーセント)、カッターも6球(6パーセント)、カーブも6球(6パーセント)。前回登板の7月28日(同29日)のレンジャーズ戦はスライダーの比率が98球中50球で51パーセントだったことが話題になったが、大きく上回った。
序盤は瞬間移動するかのように横滑りして面白いようにバットに空を切らせた。3回まで奪った5三振のうち、4つがスライダーだった。しかし、イニングを重ねるごとに曲がりも小さくなり、抜けるようになった。まはや魔球ではない。アスレチックス打線も狙ってきた。6回は先頭ラウレアーノに左前に運ばれ、マーフィーにとどめを刺された。
スライダーに偏ったことも不思議だが、中5日の影響か、勝負所でギアが上がらなかった。これまでは6回、7回に直球は100マイル(約160・9キロ)越えを連発するのだが、この日は6回にアンドルスに投じた99・2マイル(約159・6キロ)が最速だった。
中5日と同時気になったのが打席の影響。3回一死二、三塁の先制機で三直に倒れ、続くレンヒーフォが空振り三振に倒れて無得点に終わると4回に崩れた。三塁レンヒーフォの失策で出た走者を暴投で二塁へ進め、マーフィーに先制打を浴びた。
打者では3打数無安打。初回は空振り三振、5回一死二塁は遊ゴロだった。7回二死無走者で代打スズキを送られ、退いた。
104年ぶりの偉業達成を逃し、6月22日(同23日)のロイヤルズ戦から続けてきた6試合連続2桁奪三振もストップした。次回登板は9日(同10日)か10日(同11日)の敵地アスレチックス戦が有力だ。2018年の開幕戦に打者でメジャーデビュー、3戦目に初登板して初勝利を挙げた思い出の球場。〝4度目の正直〟で達成だ。
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