エンゼルス・大谷翔平投手(27)の去就問題がヒートアップしてきた。指揮官解任の余波が収まらないエンゼルス。マドン監督は二刀流最大の理解者だっただけに大谷が来年オフに取得するFAへ影響するといわれるが、一部メディアはそんな恩師の存在は抜きにしても残留の可能性が低いことを指摘。14連敗中のチームには希望の光も見えず、地元ロサンゼルスには早くも諦めムードが漂っているという。

 大谷の所属するエンゼルスは8日(日本時間9日)もレッドソックスに敗れて14連敗となり、球団ワースト記録をさらに更新した。

 チームは何とか流れを変えようと7日(同8日)にマドン監督を解任し、三塁コーチのフィル・ネビン氏(51)を監督代行に迎えた。翌8日(同9日)には選手の登場曲をカナダのロックバンド「ニッケルバック」の曲に統一。雰囲気を変える試みをするなど、手を替え品を替え、勝利をつかもうと躍起になっているが、新体制になっても2連敗と泥沼から抜け出せない。

 そんな中、米スポーツサイト「ヘイローハングアウト」は「ジョー・マドン監督をクビにしたことで、大谷翔平がエンゼルスと長期契約を結ぶ可能性を低めた」と、来季終了後にFA権を獲得する予定となっている大谷が他球団を見据え始めるだろうとの見解を示した。

「理由はマドン監督が好きだったというだけではない。むしろそれは関係ない。すべてはエンゼルスが大谷の在籍中、機能不全の組織であるという現実が原因。大谷は以前から勝利にこだわっていることを明言している。エンゼルスは大谷が加入してから一度もプレーオフに出たことがなく、勝率も毎年5割を超えられない。それに加え、大リーグ4年半のキャリアで、彼はすでに4人目の監督を迎えているのだ。その不安定さはばかげている」。マドン監督解任はまさにエンゼルスの不安定さそのものを物語っており、大谷ほどの能力を持つ選手に見合うものをエンゼルスは与えることができていないと批判。これについてはエンゼルスのファンらも同意見であるという。

「今から1年ちょっとで何が起ころうとも、最初の4年半近くの混乱ですでに大谷が球団を信頼することは難しくなっているかもしれない。エンゼルスは、本気でこの新体制をうまく機能させないとならない。しかも迅速にやらなければ、時が来た時には大谷はいなくなっているだろう」

 選手としてもコーチとしても大リーグ歴の長いネビン監督代行は8日(同9日)の試合後会見で「ここまでの連敗を経験したことがない」と話していた。何よりまずは連敗を止めることで15連敗阻止へ、大谷は9日(同10日)の本拠地レッドソックス戦のスタメンに「2番・投手兼DH」で名を連ねた。投打の活躍でどん底のチームを救ってほしいが…。