ロックアウトは17日(日本時間18日)で突入から約1か月半が経過した。一体いつまで続くのか。バッテリー陣のキャンプインまで1か月を切り、2月25日(同26日)のオープン戦初戦まで40日程に迫っているが、米大リーグ機構(MLB)と選手会との新労使協定の締結には多くの課題が残されたままだ。

 ニューヨーク・ポスト紙(電子版)は予定通り3月31日(同4月1日)に開幕し、レギュラーシーズン162試合をフルに戦うためには、2月22日(同23日)までに両者が合意する必要があると指摘。ロックアウト中、球団側は選手たちとコンタクトを取ることが許されず、選手たちは球団施設を使用できない。両者が合意に達したとしても、選手やスタッフがキャンプ地に集合するには最低でも1週間の準備期間が必要。そのため、同紙は「予定通り始まることに、かなり悲観的に見ている」との見解を示した。

 理由はまだある。現時点でFA選手は300人以上、年俸調停の権利を持つ選手は200人以上いること、各球団はケガや故障などでリハビリ中の選手とコミュニケーションが取れていないこと、契約が決まっていない外国人選手は(北米での滞在に必要な)ビザの取得が必要なこと、そして新型コロナウイルスの感染状況が挙げられる。

 ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指している広島の鈴木誠也外野手(27)は、ビザ取得と新型コロナウイルスによる影響を受けることになり、チーム合流がずれ込むのは必至だ。

 ちなみに、昨年2月16日にレッドソックスと契約した澤村拓一投手(33)は渡米、契約合意、身体検査、一時帰国して隔離の末にビザ取得、再渡米と日米間を1・5往復し、さらに自主隔離の末に3月2日にチームに合流した。4月2日に行われた開幕戦のオリオールズ戦で9回にマウンドに上がり1回を1安打無失点に抑えて好スタートを切ったが、調整は難しかっただろう。

 この問題は本人がコントロールすることはできない。澤村が開幕に間に合ったように、獲得した球団は鈴木誠の状態を確認しながら、シーズンで活躍できるよう全力でサポートするはずだ。