米スポーツ専門局ESPN(電子版)は15日(日本時間16日)に今季のMLB各賞の行方について最新のデータや状況などをもとに考察した〝途中経過〟を発表した。ア・リーグのMVPレースに関してはエンゼルスの大谷翔平投手(27)が「ここへ来て投打の勢いを多少落としているものの、他の候補をまだ大きくリードしている」とした。

 ア・リーグMVPはともにブルージェイズのウラジーミル・ゲレロ内野手(22)とマーカス・セミエン内野手(30)が大谷を追う存在と見られている。ゲレロは3冠王の可能性があり、セミエンは打棒だけでなく内野の要として好調のチームをけん引している。

 同局のデビッド・ショーエンフィールド記者は「1か月前は大谷が全会一致で選ばれると思われ、未だに最右翼だが勢いは少しスローダウンした」と見解を示した。実際に9月の打撃成績は14日まで10試合で打率1割8分2厘、2本塁打、4打点と低迷。投手成績は2試合で1勝1敗、防御率6・97といま一つだ。

 これに対してゲレロは打率3割3分9厘、6本、7打点と好調。しかし同記者は「ゲレロとセミエンが何票かの1位投票を得るかもしれない。だが大谷が50本塁打で、130イニング以上を投げて11勝以上すれば、彼らが大谷を抜くことはほぼ不可能だ」と結論付けた。

 一方、ブラッドフォード・ドゥーリトル記者も考えは同じだ。「ゲレロがMVPを獲得するには、3冠王になることだけでなく、これからも印象に残る打撃を見せ、チームをワイルドカード1位にする必要がある。ただ、それでも十分ではないかもしれない。大谷がやったことは他に類のないことだから」。よほどのことがない限り、大谷のMVP獲得は揺るぎないと断言した。