第104回全国高校野球選手権大会(6日から17日間=甲子園)が早くもコロナ禍に見舞われている。5日は開会式のリハーサルが行われたが、この日に九州国際大付(福岡)の複数の選手の体調不良が判明し、県岐阜商もコロナの集団感染が発生。すでに集団感染で3日の抽選会を欠席した浜田(島根)、九州学院(熊本)、有田工(佐賀)、帝京五(愛媛)を含め、計6校が欠席した。

 開幕前からの非常事態に大会本部では緊急対策本部会議を開き、6日の開会式の開催方法を変更。代表校のベンチ入り全員の行進をやめ、主将のみの行進とすることを決めた。6校については主将も欠席し、学校名プラカードのみの行進となる。大会本部の山本センター長は「非常に残念。楽しみにしていた選手、保護者の方々、入場券を買ってもらった方々に申し訳ない」と沈痛な面持ちで話した。

 県岐阜商は第4日(9日)第4試合、九州国際大付は第6日(11日)第3試合に出場する予定。両校とも現段階での日程変更について「いつになったら回復できるのか、療養期間も示されていない。変更の検討に入ることはできない」とし、体調不良者の多数出ている九州国際大付も「現状が動いている。はっきり見通せることになってから判断する。現在、整理、精査している」とした。

 すでに組み合わせが決まっているため、日程調整が難しい状況にあるが、小倉事務局長は「センバツはあらかじめ補欠校を決定していたが、選手権大会なので、できる限り試合のできる状況を作ってあげたい。それに代わるチームが出場することはできない」と代替校の出場を避け、個別感染ならメンバーの入れ替えや日程調整で試合を模索していくとした。また、この日のリハーサルも6日の開会式も暑さ対策の観点からマスクの着用はしない。

 コロナ禍ながら抽選会を通常通りに会場に選手を入場させて開催し、開会式は6校の欠場で変更を余儀なくされた。開催中の感染拡大も懸念され、波乱含みの大会となりそうだ。