二軍球場にアニメファンを集結させた伝説のセクシーボイス誕生の秘密

2016年05月21日 10時00分

夫・塚原のユニホームの前でマイクを持ってポーズを取る藤生恭子さん

【プロ野球 天の声・ウグイス嬢たちの素顔(3)】かつてオリックスの二軍戦で「セクシーすぎるウグイス嬢」として話題を振りまいた声の主が、元オリックス球団職員の藤生恭子さん(36)だ。現在はフリーアナウンサーを続けながらアナウンススクールを経営。今や伝説となったあのセクシーボイスの誕生の秘密、さらにオリックス・塚原頌平投手(23)との結婚後に見舞われた「500円玉貯金窃盗事件」の真相に迫った。

「1番、ライトォ、深江ェ、2番、ショートォ、堤ィ」「アンパイアはァ、球審・梅木ィ」「ファウルボールはァ、大変危険でございますゥ」。アニメキャラのようなキュートボイスで、語尾にわずかに息を抜く。今もユーチューブなどで確認できる伝説の“セクシーアナウンス”だ。

 藤生さんは2007年にオリックスに入社。イベントの企画、告知、アルバイトの仕切り、選手の食事や二軍に関する仕事全般をこなしながら二軍戦が行われる神戸サブ球場などで場内アナウンスを約6年間務めた。アナウンサーを目指してラジオ局や独立リーグで修業を重ね、ようやくつかんだ夢。やるからには特徴を出したい、名物アナウンスでお客さんを増やしたい、と考えた。

「オリックスからは好きにやって、と言われていました。私の声ってもともと息が抜けるような感じがあったんです。それを選手やコーチが“もっと抜いて”って結構、からかって言ってきて…。それで特徴をつけていったんです。ウグイス嬢っぽくないものにしようとも思っていました」

 10年ごろからファンの間で噂になり、藤生さんのブログのアクセス数が急上昇。動画サイトにアナウンスがアップされたことで球団に問い合わせが殺到し、アニメファンが「萌え~」となり始めた。「よっしゃ、反応した、と思いました。野球ファン以外も呼ばなきゃ、と思ってやっていたので」

 以来、球場に藤生さん目当てのアニメファンが急増。出待ちをされたり、ファンから「エロい人来た~」と言われて「エロくないですよ~」と返したり…。「私、エロくはないですよ。ノーマルです(笑い)。でも、私を知ってくれていると思ってうれしかったですよ」。相手チームからも評判となり、集客増につながっていった。「自由にやらせてもらって、尊重してくれました。オリックスでやれて本当によかったです。一軍ではこれだけ自由に絶対できなかったと思います」。人気が出て「一軍でどうか」との話もあったが、二軍の環境から離れたくなかったという。

 オリックスに在籍中にアナウンススクールを起業した。「一つ達成したら次は、と思ってしまうんです。プロ野球のアナウンサーになれたんで、次、何しようって。教えるということに興味があった。そっちが面白くなっていたんです」。12年に二軍で奮戦していた塚原と結婚、惜しまれつつ球団を去った。

 1児をもうけ、公私に充実していた藤生さんだが、まさかの“落とし穴”も…。昨年10月、自宅でベビーシッターを任せていた女性から窃盗被害にあったのだ。「最初は気がつかなかった。缶に入れていた500円玉の貯金箱がめちゃ軽くなっていたんです。7万~8万円あったはずが1万6000円しかない。その後もまた軽くなっていて、数えたら1万1000円だった」という。他にも現金が減っているケースが度重なり、警察に届けた。

 女性は逮捕されたが、当初、確認できた被害額は缶の5000円だけ。そこが報じられたことで「5000円取られて騒いだ、みたいになった。めちゃ恥ずかしかった。友人から“5000円くらい貸そうか”と言われたり…。本当は2年間でもっともっといかれたのに!」と声を大にした。

 常にアクティブに道を切り開いてきた藤生さん。持ち前の明るさで災難を笑い飛ばし、今後は後進を育成しながら韓国プロ野球など国際舞台に活動の幅を広げていくつもりだ。

☆ふじう・きょうこ=本名・塚原恭子(つかはら・きょうこ)1979年6月7日生まれ、兵庫県伊丹市出身。駒大卒。ラジオ局を経て独立リーグの香川、高知で場内アナウンサーを務め、2007年にオリックス入り。12年にオリックスの塚原と結婚し、退団。現在はアナウンススクール兼マネジメント会社を経営し、フットサルリーグ「シュライカー大阪」の専属アリーナアナウンサーなどで活躍中。