体操の東京五輪代表選考会を兼ねたNHK杯(長野・ビッグハット)の男子競技が16日に行われ、259・530点でNHK杯に優勝した橋本大輝(19=順大)、259・394点で2位となった萱和磨(24=セントラルスポーツ)の団体入りが決定。ともに五輪初出場が内定した。

 若きエースとして期待される橋本は「東京五輪の団体と個人で金メダル」という夢を掲げる。14歳だった2016年リオ五輪はテレビで観戦。当時は東京五輪など「夢のまた夢」だった。「五輪で金メダル」と目標を立てている今の自分について「この5年でそうなると思っていなかった。高校(千葉・市立船橋高)に入って環境が変わり、人生が180度変わった。本当に考えられない5年間」と振り返った。

 そんな橋本には悩みがある。体操選手としては高すぎる166センチという身長だ。初出場だった19年世界選手権の時は164センチ。あれから2センチも伸びており「ホントに止まってほしい(笑い)。平行棒とか足がつきそうできつい。理想は160センチ、できれば159センチがいい」と切実に話す。

 体操競技は小柄な選手が多く、高身長は不利とされる。五輪2連覇のキング・内村航平(32=ジョイカル)も162センチだ。世間の男子は1センチでも高い身長が欲しいところだが、橋本は体操を始めたころから「どうすれば身長が止まるか」と考え、牛乳も意図的に飲まなかった。一緒に練習する背の低い同僚には「お前、身長5センチもらってくれないか?」と懇願しており、〝低身長〟というかなわぬ夢を今も抱く。体操で活躍するには、身長もジャマだということだ。

 名実とも日本一となり「世界一を目指しながら日本のエースになりたい。最強日本をつくり上げていきたい」と宣言した橋本。この際だから〝最も背が高い体操金メダリスト〟のギネス記録を目指してはどうか。