加齢や日常生活のストレスによって、男性ホルモンであるテストステロンが低下し、症状が出るという男性更年期障害。診断の流れや治療法などについて泌尿器科医の村山慎一郎先生に聞いた。 

 ――受診をする前にセルフチェックなどをする方法はありますか

 村山医師(以下、村山)症状を自己評価する方法の一つに、17項目を5段階で答える「AMSスコア」があります。質問票はインターネット上でも確認でき、スコアが高かったことをきっかけに受診する人もいます。ただし、主観的な項目も含むため、結果だけで自己診断はできません。受診時に医師に症状を説明するための補助として活用してください。

 ――受診をしたら、どのようなことを診るんですか

 村山 診断では、身体症状、精神症状、性機能症状について詳しく聞き、採血でテストステロン値を測ります。先ほどの「AMSスコア」を行うことも。同時に、似た症状を起こす別の病気が隠れていないかも確認します。

 ――別の病気ですか?

 村山 例えば、性機能の低下はEDによる場合があり、その背景に血管系の病気が隠れていることもあります。精神症状が強ければ、うつ病などを疑い、心療内科や精神科の受診を優先する場合もあります。このように、ほかの病気の可能性を確認した上で、自覚症状と採血結果を総合し、男性更年期の可能性を判断します。

 ――治療法について知りたいです

 村山 症状を和らげ、生活上の困り事を減らすことが治療の目的です。テストステロン値が低い場合は、テストステロン補充療法を検討しますが、副作用があり、効果にも個人差があります。そのため、睡眠障害には睡眠への治療を行うなど、困っている症状への対症療法も組み合わせます。さらに、生活習慣を整えたりストレスを減らすことも重視します。

 ――食事や睡眠といった生活リズムを整えることはこの病気にとっても大事なんですね!

 村山 その通りです。ほか、家庭や職場の環境などでストレスを感じる要素があれば、改善できる点を探してください。旅行や趣味など、自分に合った気分転換や休息を取り入れることも大切ですね。

 ――放置するのはやはり危ないのでしょうか

 村山 放置したことで、男性更年期そのものが重症化するというより、不調が続くことでうつ病などを発症したり、認知機能が低下したり、活動量が減って生活習慣病が悪化したりすることが心配です。症状が生活に影響している場合は、我慢せず受診してください。

 ☆むらやま・しんいちろう 東京国際大堀病院泌尿器科病棟医長・腎尿管結石センター長。福井医科大学卒業後、日本赤十字社医療センターなどを経て現職。日本泌尿器科学会専門医、日本泌尿器科学会指導医。悪性腫瘍ロボット手術(前立腺がん、膀胱がん、腎・尿管がん)、尿路結石手術、腹腔鏡手術などを専門とする。