年齢を重ねるにつれて「疲れが取れない」「性欲が落ちた」といった不調を感じる人は少なくない。単なる加齢や気持ちの問題と思いがちだが、背景に男性更年期障害が隠れていることもある。いったいどのような病気なのか、泌尿器科医の村山慎一郎先生に聞いた。
――男性更年期障害とは?
村山医師(以下、村山)加齢や日常生活のストレスによって、主にテストステロンという男性ホルモンが低下することで起こる病気です。ひとつの症状ではなく、さまざまな症状が現れるため「加齢男性性腺機能低下症候群」とも呼ばれます。
――具体的にどのような症状が現れるのでしょうか
村山 症状は大きく、性機能、精神、身体の3つに分かれます。性機能では性欲低下や勃起障害、精神面では、不安や意欲低下、睡眠不足など。身体面では、疲労感や発汗、ほてりなどが現れます。どのような症状が現れるかは人によって異なります。
――悩んでいても、気持ちの問題だ!と、気合で頑張ろうとしてしまいそうですね
村山 女性の更年期には「閉経」という目安となる節目があります。しかし、男性の場合は明確な節目がないということもあり、その不調が単なる加齢の問題なのか、それとも更年期なのか分かりにくい側面があります。数か月や数年、症状に悩み続けて、ようやく調べてみて「男性更年期かもしれない」と気づいて受診される方もいますね。
――何歳ぐらいから症状を訴え始めるのでしょうか
村山 症状を訴える人の中心は40~50代です。男性ホルモンが低下していく変化の時期に、症状が出やすいと考えられています。60代、70代で症状を訴える人もいますが、年齢とともに患者が増え続けるわけではありません。
――なりやすい体質や既往歴などはあるのでしょうか
村山 現時点で、なりやすい体質や既往歴は明確に示されていません。加齢そのものは避けられないですし、完全にストレスのない生活も現実的ではない。予防や対策につながることとしては、余計なストレスを減らしたり、自分なりの気分転換を取り入れたりすることですね。
――どの科を受診すればいいでしょうか
村山 症状が続いて生活に支障を感じたり「男性更年期かもしれない」と気になったりした時点で、まず泌尿器科へ相談してください。心理的に抵抗がある人もいるかもしれませんが、男性更年期やEDなどを相談することは特別なことではありません。
☆むらやま・しんいちろう 東京国際大堀病院泌尿器科病棟医長・腎尿管結石センター長。福井医科大学卒業後、日本赤十字社医療センターなどを経て現職。日本泌尿器科学会専門医、日本泌尿器科学会指導医。悪性腫瘍ロボット手術(前立腺がん、膀胱がん、腎・尿管がん)、尿路結石手術、腹腔鏡手術などを専門とする。












