誰だってお金は欲しいものです。しかし、その気持ちが強過ぎて、成功した時に儲けを独り占めし、周囲の人たちに分配しない人がいます。中には「それほど儲かっていない」とウソをついてまで、分配を怠る人もいるようです。でも、だまされたと知った人は二度と協力してくれません。すると、せっかく成功した事業は先細りになり、全てのお金を失うようになるのです。

 さて「三方よし」という言葉を知っていますか。近江商人の経営理念といわれ、売り手だけではなく、買った人と世間の三方が揃って満足できること。つまり、彼らは利益を独り占めせず、お客さんや社会に還元するように常に考えてきたのです。

「売り手よし、買い手よし、世間よし」という言葉の真意を知ると、共存共栄の精神が納得できるのではないでしょうか。「三方よし」という考え方は、江戸時代にだけ通用したものではありません。松下幸之助は「世のため、人のためになり、ひいては自分のためになることをやったら、必ず成就します」と話していますが、まさに「三方よし」の経営哲学でしょう。

 ある人が信頼できる人を誘って事業を始め、成功してお金を得たとします。その時、話を持ちかけた人が「自分がリーダーだ。準備も含めて苦労をしたのだから、儲かったお金は六分四分の割合で分けよう」と考えたとします。しかし、誘われた方の人は「2人で事業を成功させたのだから、儲けは五分五分で分けるべきだ」と思うでしょう。

 もし五分五分を主張して受け入れられなかったら、おそらく「この人とは、二度と仕事はできない」と考えるはずです。このように、独り占めすると、金運は逃げていくのです。