新日本プロレス3日の広島大会で、米国・AEWのケニー・オメガ(43)がIWGPヘビー級王者の辻陽太(33)からフォール勝ちを収め、来年1月4日東京ドーム大会での王座挑戦を確実にした。ボルチン・オレッグを加えたノンタイトル3WAY戦を制したケニーは、2018年大会の棚橋弘至戦以来、9年ぶりに日本プロレス界最大の舞台に帰ってくる。そこに秘める思いとは――。

 ケニーは10月両国大会で辻に挑戦を表明。この日の大会で、その実力を満天下に証明した。必殺の片翼の天使で辻から完璧な3カウントを奪取。「俺は今でも世界最高だ。この会社にいるどんな正当な挑戦者より、俺の方が上だ」と勝ち誇り、年間最大興行での挑戦を確実なものとした。

 ケニーが東京ドームのメインに立つのは、IWGP王者だった2018年大会以来9年ぶりとなる。棚橋に敗れ新日本マットを去り、AEWの旗揚げに参加するキッカケとなった一戦だ。取材に対し「いろいろな後悔があるからね。棚橋との試合の思い出を消して、新しい良い思い出を作りたい」とニヤリ。「俺は自分のスタイルで日本のプロレスの代表になりたい。年を取って体はボロボロなんだけど、まだその力が残っていると思っているし、そうすることで世界のプロレスが面白くなると思う。だからもう一回、IWGPを取りたいんだ」と豪語した。

片翼の天使で辻陽太(左)を仕留めたケニー・オメガ
片翼の天使で辻陽太(左)を仕留めたケニー・オメガ

「ベストバウトマシン」の異名を誇り、数々の激闘を繰り広げてきたケニーは満身創痍。23年からは憩室炎での長期欠場も経験した。今年7月にAEW世界王座返り咲きを果たすも、8月の年間最大興行「ALL IN」(英・ロンドン)でウィル・オスプレイに敗れると〝引退説〟まで流れた。「俺が一番大きい舞台でベストバウトを見せることができたら、みんなの心配事はなくなると思っている。引退は誰もが考えることだし、俺ももちろん考えてる。でもボロボロになった体でも、まだ王者になれる力が残っている。だから心配しないでくださいというメッセージを東京ドームで伝えたい。もちろん、今日もそれを見せられたと思うけど」と今回のIWGP挑戦の意義を語った。

 さらに、右足負傷で25年10月から長期欠場中の盟友・飯伏幸太への思いもある。この日の試合中には、2人のタッグチーム「ゴールデン☆ラヴァーズ(G☆L)」の得意技だったクロススラッシュを1人で繰り出す場面も見られた。ケニーは「ファンも俺も『忘れていないよ』というメッセージを伝えたかった。もちろん、またいつかどこかでG☆Lをやりたい気持ちがある。飯伏さんもいま自分の戦いをしている。重いケガをして1人の戦いはつらいと思うから、みんなが待っているというメッセージを伝えたい。東京ドームでもね」とその意図を説明した。

「ドームでは『AEW対新日本』の試合が多いのかもしれないけど、俺はまだ日本がセカンドホームだと思っている。AEWの代表としてではなく、日本で築いてきたキャリアをすべて背負って戦いたい」。08年の初来日から約19年。より大きな存在となったケニーが、再び日本プロレス界最大の舞台に主役として乗り込む。