10勝9敗。勝ち星だけなら16勝を挙げ、最多勝のタイトルをほぼ確定させている阪神のチームメート・高橋には遠く及ばない。それでも2年連続となる開幕投手を任せた藤川監督を筆頭に、多くのナインや関係者は「ウチのエースは村上頌樹」と口をそろえる。

「これがローテに入って1年目だったら『めちゃくちゃいい数字』と自分も納得して終われますが、もう4年目なので」(村上)

 プロ3年目の2023年にシースンMVP&新人王のタイトルを獲得してから3年。あの頃にはなかった風格が今の背番号41には漂う。責任感、使命感、そして一流投手としての自信。今季からは選手会長も務め「人前でのあいさつが上手になりました」と笑う。

ビールかけで才木浩人(左)に狙い撃ちにされる阪神・村上頌樹
ビールかけで才木浩人(左)に狙い撃ちにされる阪神・村上頌樹

 エースとしての働きはリーグでダントツの「180回1/3」という投球回数が証明している。クオリティースタート(6回以上、自責3以下)率「85・2%」も同2位。誰よりもイニングを稼いで中継ぎ陣の負担を減らし、試合をつくる。負傷離脱者が続出した今季の阪神で、村上の存在はあまりにも大きかった。

 手本となったのは、今季限りで現役を引退する西勇だという。19年間の現役生活の中で、計9度も規定投球回数に到達したイニングイーターから「調子が悪い中でもどう投げるか。それでも負けてしまった場合は、どうやって引きずらずに切り替えていくかを教えてもらった」と明かす。

「印象に残っているのは、出来の悪かった試合ばかり。自分の試合はしっかり勝ちたいと思っていますし、勝たないといけないと思っているので」。エースという言葉の重みを背負いながら投げ抜いたプロ6年目のシーズンだった。