巨人が今季最終戦となった3日のDeNA戦(東京ドーム)に2―5で悪夢の逆転負け。優勝マジックを1としていた阪神のリーグ連覇が決まると、巨人はリーグ2位でレギュラーシーズンを終えることとなった。2年連続V逸の主な要因として、球界内からは「主砲・岡本の穴埋めの失敗」を指摘する声も出ているが、現場から聞こえてくる声とは少々の差異が生じている――。

 奇跡を願うも、ついに力尽きた。この日の先発・井上は6回無失点と好投すると、打線は4回にリチャードの先制適時打、6回に丸の3号ソロで2点目を奪取。逃げ切りたい巨人は7回から2番手・中川を送り込んだが、一死二、三塁のピンチを招いて降板。後を託された堀田が代打・佐野に同点適時打、続く古市に勝ち越し適時打を浴びて試合はひっくり返ると、4番手・船迫も成瀬に適時打を浴びてこの回一挙4失点となった。

 打線も最後まで反撃は叶わず敗戦。奇跡の逆転優勝を信じて続けてきた激しい戦いもここで終戦となり、試合後のセレモニーでマイクを握った橋上秀樹監督代行(60)は「選手は一生懸命やってくれました。ただ、残念ながら皆さんのご期待に応えることができず、ここでリーグ優勝の報告ができなかったことは非常に残念で、大変申し訳なく思っております。どうも申し訳ありません」と神妙な面持ちでファンに謝罪した。

 激動の1年となった今季の巨人。岡本、グリフィンと投打の要が揃って退団した中で新体制を迎えると、開幕投手を予定していた山崎も開幕直前に戦線を離脱。5月末には阿部前監督が長女へ暴力を振るい現行犯逮捕され、直後に電撃辞任となる前代未聞の事件も起き、以降は橋上監督代行が急きょ指揮を取ることとなった。その後もセットアッパー・大勢やWエースの戸郷&山崎の不調や離脱、先発助っ人陣も軒並み戦線を離れるなどアクシデントは止まず、新指揮官はあの手この手で試行錯誤を続けながら虎の背中を追い続けるのがやっとだった。

 最後まで詰め切れなかった首位との差。2年連続V逸となった原因は1つに絞り切れないものの、球界内からは最大の要因として主砲・岡本の穴をカバーできなかった点を挙げる声もあるが、これについてはチーム内から「厳密には異なる」と否定する声が出ている。

 チーム関係者の1人は「(岡本)和真がいなくなったことはもちろん大きいし、抜けたことにより単純計算でも100打点近く減ることとなったのは間違いない」と岡本退団の穴の大きさは否定せずも「昨季から強固な布陣を築けている救援陣はもちろん、先発投手陣の底上げができたことで失点を防ぎ、失った岡本の得点力分をある程度カバーすることができた」と分析した。

 11勝でチームの勝ち頭となったドラフト1位ルーキー・竹丸の台頭や10勝を挙げた井上の成長、今季途中に電撃加入した小笠原の存在もあり厚みを増した先発投手陣。チーム先発防御率も昨季の3・18から2・94へと改善した。「和真の代役は誰にも務まらない。だけど和真の穴をまったくカバーできなかったわけでは決してない」(前出関係者)とするのが1つの見方だ。

 とは言え、得点力を欠く打線が大きな課題であることは疑いようのない事実。今季記録したチーム打率2割4分3厘、486得点は上位3球団でワースト。別のチーム関係者は「投手力をもって僅差で競り勝つのが今季の巨人の主な勝ち方だったけど、最低限の点が入らないことには取りこぼしも増える。根本的に投打がなかなかかみ合わなかったことに尽きるのでは」と強く指摘した。

 投手陣の再整備に成功した中、浮き彫りとなった明確な課題。来季こそは宿敵・阪神を打倒し3年ぶりのリーグ優勝を果たすためにも、今オフに改善すべき最重要事項となっていきそうだ。