内角を厳しくエグられれば、相手投手に鋭くガンを飛ばす。納得のいかない判定が下されれば、球審への抗議も辞さない。リーグ連覇を果たした阪神・森下翔太外野手(26)はコンプライアンス重視が叫ばれる令和球界において、完全なる異物だ。それでも本人は、反逆児としての矜持と流儀を譲るつもりなどない。
「昔に比べたら今の選手は感情をあまり出さない選手が多いので、自分は目立ってしまう方かもしれませんが、自分の中ではこれでも抑えてやっている方です」
6月6日の楽天戦(甲子園)では真鍋球審のストライク判定に納得がいかず、暴言を吐いて退場処分を受けた。だが「真剣勝負なので、ぶつかり合うのは当たり前。自分は仲良しこよしにしたくない」と言い切った上で「後日(球場などで)会った時に『昨日は言い過ぎました』みたいなことは話しているので。表面上は自分が文句を言っているように見えるかもしれませんが、実際は人間と人間のコミュニケーション。お互いに人生をかけて仕事をしている中なら、ぶつかり合いは出て当然」と語る。
打撃成績を大きく伸ばした今季は、ここまで打率2割9分4厘、84打点。35本塁打でサトテル先輩と本塁打王のタイトルを争うところまで成長した。その代償として相手バッテリーからの警戒は強まり、容赦ない内角攻めも激増。死球数は「20」とリーグでダントツの数字になっている。
本人も「攻められることは分かっている。自分が避けるのが下手ってこともありますが、そこを攻め切らないと抑えられない中で仕方ないことでもある」と理解を示すが「よく『死球が当たっても踏み込んでいくのが強み』と言われますが、自分も怖いし、それで成績が落ちたことは何度もある」と本音を吐露する。
人間である以上、死球が当たれば当然痛い。「生意気だ」と周囲から叩かれれば気は沈む。「自分はまだ未熟。後輩は反面教師になってくれればいい」。自身の長所も短所も受け入れながら、丸くなり過ぎることだけは拒んでいる。
ぶつかり、傷つき、時には反省する。それでも虎としての牙を抜くつもりなど毛頭ない。














