愛知・名古屋アジア大会の男子マラソン(パロマ瑞穂スタジアム発着)、2023年世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)以来の日の丸を背負った山下一貴(29=三菱重工)が2時間10分49秒で金メダルを獲得した。
山下は集団の先頭を他の選手に譲り2、3番手でレースを展開。中盤も、アジア記録(2時間4分43秒)保持者のエルハサン・エルアバシ(バーレーン)ら6人のメダル争いからも離れることなく走り抜けた。
ところが、終盤にはサワン・バルワル(インド)とハン・イルリョン(北朝鮮)の先頭争いが始まる。3番手の山下も負けじと35キロで猛スパートを仕掛け、2人を引き離してそのままゴールした。
日本勢では、先輩の井上大仁以来6年ぶりの頂点に立った。「先輩方がメダルを取ってきた大会で、周りの期待も多かった。金メダルを取れて、本当に安心した」と安堵の表情を見せた。さらに、大会前に井上から「言葉はアレなんだけど」と前置きされた上で、「殺しにいっているやつと、殺すぞと脅している奴は全然気持ちが違うから、殺しにいけよ」と独特なアドバイスを受けていたことを明かした。
この言葉の真意について山下は「俺は絶対1位を取るんだというメンタルで。〝1位を取るんだ〟ではなく一番速いんだというメンタルで俺は挑んでいたから、お前もそういうメンタルで行け」と説明。先輩の金言に背中を押され、つかんだ金メダルだった。












