得点板の裏に隠れた理由とは――。愛知・名古屋アジア大会の卓球男子団体決勝(24日、スカイホール豊田)、日本が絶対王者の中国に3―2で競り勝ち、60年ぶりの金メダルを獲得。自国開催の一戦で卓球界の歴史に新たな1ページを刻んだ。

 エース・張本智和(トヨタ自動車)は、第5試合に挑んだ松島輝空の雄姿を入場口近くの得点板で隠れながら見守った。優勝が決めると一目散に仲間のもとに駆け寄ったが、なぜベンチにいなかったのか。試合後の張本は「(松島が)2ゲーム目を取られてしまって、僕が着替えている間に3ゲーム目をいい流れで取ったので(ベンチに)入らない方がいいかなと。ゲン担ぎじゃないけど、ベンチにいると目に入ると思うので」と明かした。

 松島も張本がベンチから消えたことは気付いていた。「2ゲーム目が終わった時点で張本選手がいろいろ言ってくれたが、多分それで少し自分がおかしくなったのを気付いたのでは」と回想。「自分にしかできない技術はたくさんある。張本選手の卓球は真逆なので、そういう面で少し戸惑った部分はあった」と笑いを誘った。

 今大会は2枚看板として躍動。最終決戦に挑む松島には「シングルスのつもりで」とアドバイスを送った。張本は「団体だから負けても終わりじゃないとか、仲間が、チームワークというのはきれいごとに聞こえるけど、結局は自分が主役になればいい」。お互いを信じるからこその行動だった。