チャールズ・スペンサー伯爵が亡き姉ダイアナ妃について書いた回顧録が、出版予定日前に盗難に遭った。英紙デーリー・メールが15日、報じた。

 被害に遭ったのは9月22日に出版を予定していたスペンサー伯爵の回顧録「スワン・ソング:ダイアナ、マイ・シスター」で、今週初めにオランダで輸送中、トラックから4冊が盗まれたという。

 同紙によると書籍を積んだトラックは14日に中央ヨーロッパの印刷工場を出発し、オランダの倉庫に向かった後、オランダの書店に配布されたという。同日夕方、運転手はオランダの田舎の奥深くにある路肩に車を停めて仮眠をとった。午前8時頃、トラックが荒らされていることに気づいたが、不思議なことに、数千冊積まれた荷物から盗まれていたのは包装された「スワン・ソング」の数冊だけだったという。

 この回顧録は、ダイアナ妃と当時のチャールズ皇太子の、不幸な結婚生活に関する深い暴露が含まれている。また、29年前にダイアナ妃が交通事故で亡くなった後、王室を襲った危機についても描写している。

 出版業界関係者は「スペンサー伯爵は30年近く沈黙を守ってきたが、ダイアナ妃の死去時の国王の反応について彼が語る内容は、まさに衝撃的だ」と語っている。 

 トラックは荷物を隠すために黒いビニールで包まんでいたが、その中からわずか4冊が盗まれた。出版関係者は、これは今年最も期待されている書籍が店頭に並ぶ前に盗み出すための大胆な計画だった可能性があると考えている。

 オランダ警察は盗難事件の犯人を捜査しており、業界関係者の間では犯人について、明確な狙いを持たない窃盗団から、王室の支持者だが情報通で誤った考えを持っている人物まで、様々な憶測が飛び交っている。

 ある出版関係者は「こんなことは前代未聞だ。極めて疑わしい。これはおそらく今年一番の大ヒット作で、その警備は信じられないほど厳重だった」と14日に発言しており「情報が漏洩しないよう、あらゆる予防措置を講じてきました。そのため、今回の前例のない事態を極めて深刻に受け止めています」と続けた。 

「スワンソング」は22日に世界中で出版される予定で、英国ではペンギン・ランダムハウス傘下のペンギン・マイケル・ジョセフから出版される。デーリー・メール紙は、回顧録が書店で発売される前に、独占的な連載記事を掲載する予定だったという。

「歴史的」かつ「非常に感動的」と評されるこの回顧録は、スペンサー伯爵とダイアナ妃の関係、そして姉の破綻した結婚生活を、非常に個人的な視点から描いたものだという。本書は1997年8月のダイアナ妃の死後、ウィンザー家が世界的な悲しみと怒りの波に飲み込まれた激動の1週間について、これまでにない洞察を提供している。

 バッキンガム宮殿は、元ウェールズ公夫妻の非常に険悪な離婚の傷口を再び開く恐れのある一連の衝撃的な暴露に備えていると見られる。

 ダイアナ妃の死後39周年を前に、スペンサー伯爵は、世界中で出版され12か国語に翻訳される回顧録を通して、姉について語られてきた「虚偽」を正すと誓っていた。