〝聖域〟もお構いなしだ。高市早苗首相は16日に自民党役員人事、17日に内閣改造を実施する。〝参院のドン〟といわれる石井準一参院幹事長を事実上更迭に踏み切り、党内や永田町には衝撃が走っている。
役員人事で15日、麻生太郎副総裁、鈴木俊一幹事長、小林鷹之政調会長、西村康稔選対委員長が留任し、梶山弘志衆院国対委員長の総務会長が内定したが、参院では大ナタが振り下ろされた。松山政司参院会長が同日、石井氏と会談し、参院執行部の新体制で石井氏を幹事長に再任しないと伝えたことが報じられた。
参院自民党は長らく独立性が保たれ、村上正邦氏や青木幹雄氏らが〝参院のドン〟として、大きな影響力を持っていた。
「石井氏はハマコー(浜田幸一)元衆院議員の秘書から千葉県議、参院議員となった叩き上げ。この数年は実質的に参院を仕切る〝新たなドン〟と言われ始め、4月に40人以上の参院議員で構成する『自由民主党参議院クラブ』を立ち上げたばかり。ただ、高市首相は予算審議を巡る対応で、石井氏に振り回されたことに不満を募らせていたといいます」(永田町関係者)
世耕弘成衆院議員の復党問題も影響しているといわれる。裏金問題で自民党を離党した世耕氏は、復党協議が進んでいる。「石井氏はかつて参院自民党を取り仕切った世耕氏とは折り合いが悪く、復党に難色を示していた。世耕氏と懇意にある高市首相からすれば、石井氏はなにかと目の上のたんこぶに映ったのでしょう」(前同)
党役員人事を巡っては有村治子総務会長が閣僚への横滑りではなく、参院執行部の役員に就任する案が浮上し、参院側に揺さぶりをかけていた。参院の役員人事は歴代首相も手を突っ込めなかった〝聖域〟とされるが、松山氏が屈したともいえる。「松山氏は次期参院議長のポストと引き換えに石井氏のクビを差し出した」「高市首相の圧に耐えきれなかった」と密約説や圧力説がささやかれている。
青木一彦参院議院運営委員長が後任の参院幹事長ポストに就任する見通し。党内からは「参院では過半数に届かない少数与党で、多数派工作に骨を折っていた石井氏が不在となったら参院の運営はもたなくなる」「石井氏側との全面戦争は避けられない」との声も漏れる。
高市首相は飲食料品の消費税率引き下げに異を唱えた財務省のエリート官僚を左遷し、物議を醸したばかりで、〝参院のドン〟斬りは禍根を残しそうだ。












