昨年の茨城県神栖市長選をめぐり、「まんじゅうや」「だんごさん」と書かれた2票を無効とした県選挙管理委員会の裁決の取り消しを求めた訴訟で東京高裁は3日、2票を無効と判断し、木内敏之市長の請求を棄却した。判決が確定すれば、木内氏は失職する。
昨年11月の市長選では、新人の木内氏と現職の石田進氏が、ともに1万6724票で並び、くじ引きで木内氏が当選した。しかし、石田氏側の異議申し立てを受けて県選管が再点検した結果、木内氏の「まんじゅうや」「だんごさん」の2票と石田氏の1票を無効と判断。石田氏が1票上回り、木内氏の当選を無効と裁決していた。
佐藤哲治裁判長は、「だんごさん」「まんじゅうや」は普通名詞にとどまり、木内氏の実家の和菓子店を示すものではないと指摘。市内には和菓子店が少なくとも9軒あり、木内氏の通称とはいえないと結論付けた。
こうしたケースは初めてではない。過去にも、わずかな票の判定で当落が揺れた選挙がある。
2015年の広島県大竹市議選では、最下位当選の山本孝三氏と次点の北林隆氏が2票差だった。再点検で「北地たかし」「キタジタカシ」の2票が見つかり、市選管は北林氏票と認定。496票で同数となった。しかし、広島高裁は北林氏への票とは認めず、県選管の裁決を取り消した。この選挙には北地範久氏も立候補していた。最高裁も上告審として受理せず、山本氏の当選が確定した。
日本では候補者名を自分で書く「自書式投票」が基本だが、世界には名前を書かない投票方式も多い。
エストニアでは国政選挙でもインターネット投票が可能で、期間中なら何度でもやり直せる。フランスでは候補者名が印刷された用紙を選び、封筒に入れて投票する。
西アフリカのガンビアでは、有権者は紙ではなくビー玉を受け取り、支持する候補者の写真やシンボルが付いた金属製ドラム缶型の投票箱に入れる。
オーストラリアの下院選では、候補者全員に好きな順に順位を付ける「優先順位投票」を採用。世界最大の人口を抱えるインドでは専用の電子投票機を使い、候補者名や政党のシンボルの横にあるボタンを押して投票する。
名前を書く以外にもやり方はあるのだ。












