28億円はどこへ――。世界的大ヒット漫画「聖闘士星矢」などで知られる漫画家の車田正美氏(72)が2日、都内で会見を開き、元マネジャーの男性A氏らから約47億円を横領されたとして損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
A氏は車田氏が代表を務める著作権などを管理する「車田プロダクション」などの取締役を務め、経理を担当。2018年ごろから24年までの約6年にわたり取引先から受け取るライセンス料を車田氏の口座ではなくA氏の口座に振り込ませ、約47億円を横領したという。24年に東京国税局の税務調査で発覚し、A氏は弁護士らの聞き取りに対して横領の事実を認める一方で「先生のためを思ってやった」などと弁明。横領したお金は暗号資産の投資に充てられていた。これまでにA氏から18億円が返済されたが、残額約28億円の回収のため訴訟に踏み切った。
A氏は車田氏と約25年前に知り合い、その後に車田氏のマネジャーとなった。車田氏が創作活動に専念するため、対外的な業務をA氏が行ってきた。
信頼するスタッフに裏切られた車田氏のショックは計り知れない。会見で車田氏は「私利私欲のために信じていたものを平気で裏切る人間がいるのだなというどうしようもないやるせなさです」と語った。
今回の事件で思い出されるのが大リーグ・ドジャース大谷翔平の元通訳の水原一平受刑者だ。水原受刑者は大谷の預金口座から約26億円をだまし取ったとして禁錮4年9月の実刑判決を受けた。水原受刑者はスポーツ賭博にのめり込み、だまし取った多くのお金を失った。
車田氏の場合は46億円のうち18億円を回収済み。注目されるのはA氏の刑事責任の有無と残金28億円の行方だ。
車田氏の代理人であるさくら共同法律事務所の野崎智裕弁護士に話を聞いた。今回は民事で訴えており「刑事告訴については現時点では明かせません」と話した。また回収した18億円について「現時点で回収できる限度額か」と問うと「分かりませんが、まだ回収できるお金があるのではないかと思っています」と話した。28億円の行方に注目が集まる。












