ヘンリー王子がメーガン妃と2人の子供を連れて英国に帰国したことで、チャールズ国王は大きななジレンマに直面しているという。ヘンリー王子の警備体制をめぐる長年の論争が続いていることが理由だと英紙ミラーが31日、報じた。

 今回の移住は、ヘンリー王子一家が英国滞在中にどのような保護を受けられるのか、そして王子の父親チャールズ国王が、この状況に何らかの影響力を行使できるのかどうかという疑問を投げかけている。

 ヘンリー王子夫妻は2020年に王室の公務から退き、米国に移住することを決めたことで、それまで当然受けていた警察による警護の権利を失って以来、王子は納税者負担による警察の警護を求めて闘い続けている。

 そして王子の英国帰国により、この議論が再燃した。ヘンリー王子の立場を支持する人々は、王子が再び英国でかなりの時間を過ごすようになったため、これまで公爵の警備を評価する際に用いられてきた要素の一つが変わったと主張している。

 ヘンリー王子の代理人は、一家の移転が実行された8月末の2週間足らず前に、内務省の安全保障委員会にその旨を通知したという。これは、王室および要人執行委員会(Ravec)が通常必要とする28日間よりもかなり短い期間である。

 通知期間を短縮した理由の一つとして、引っ越しの詳細が漏洩する恐れがあったとされる。子供たちの学校の入学先も比較的遅れて確定した上、ヘンリー王子は引っ越しのニュースが公になる前に国王と話したかったと言われている。

 ヘンリー王子の警備に関する問題については、以前夫妻の警備を担当していた元王室警護官のニール・バス氏も「2019年には、彼は包括的な対策が必要だと考えていた人物の一人だった。2026年にはそうではないのか? 好き嫌いは別として、彼の脅威リスクが低下した理由が私には全く理解できない」と言及している。

 息子の安全をめぐる懸念があるにもかかわらず、チャールズ国王は単に当局にヘンリー王子の税金で賄われている警護を再開するよう指示することはできない。王室関係者によると、国王が直接介入することによる憲法上の影響を考えると、国王は困難な立場に立たされているという。

「明らかに、国王は窮地に立たされている。憲法上の権限を逸脱していると解釈されかねないような形で介入したり、圧力をかけたりすることはできない」と同関係者は語りつつ、国王が家族の安全について懸念を抱くのは当然のことだと示唆した。

 内務省と内閣府は、この件についてコメントを拒否した。またバッキンガム宮殿は、警備体制についてコメントしないという従来の姿勢を維持している。