川崎競輪FⅠ「競輪ワールドシリーズ」は31日に2日目を行い、準決10Rで地元の斎藤雄行(31=神奈川)が前を託した渡辺雅也(25=静岡)に付けきり、2着でS級では自身初となる決勝へ駒を進めた。

 打鐘付近から動いた杉浦侑吾―武田豊樹を追走した渡辺に口が空きつつも根性で食らいついていった。2角まくりに付けきり、3角で出切ると後方を確認。抜くまでには至らなかったが、しっかりと差し迫った。「雅也君のおかげです。まずは付いていくことに集中していました」。レースを終えると気持ち良さそうに汗をぬぐった。

 前回のS級時代には越えられなかった壁をホームバンクで乗り越えた。「特に変わったこともしていないし、状態も普通です」というものの、小さな変化はいくつかあった。一つはフレーム。かつて落車したことで眠らせていたフレームを引っ張り出して2場所前の奈良で試しに使ってみると「意外と良かった」という。

 そしてもう一つが、今回の宿舎で同部屋のラブレイセンの存在だ。高校卒業後にプロ野球選手を目指して米国の大学に野球留学した経験があり、英会話は「通訳さんなしでも世間話はできる」というレベル。「自転車のことだったりトレーニング方法について教えてもらいました。フォームに関しては急に変えられるものではないけど、いろいろ勉強になります」。教わったことをすぐに実践できるわけではないとはいえ、貴重な経験になったことは間違いない。

 最終日(9月1日)の決勝12Rは「3番手という選択肢はないし、自力でやりたい」との思いを伝えて佐々木真也の前で自力勝負することになり、渡辺はラブレイセンの番手に回る。世界王者と決勝の舞台へ運んでくれた後輩への恩返しの意味でも頂上決戦で出し惜しみはしない。