13日から14日未明に発生した千葉県を襲った豪雨では冠水により水没し、動けなくなったまま道路に放置された車両が相次いだ。県内で16日までに把握された放置車両は約2700台に上る。冠水(水没)車は修理しても再び不具合が出る可能性があり、廃車となるケースが多いが、海外では〝お宝〟になるという。
千葉市によると、市が管理する道路に放置された車両約2500台のうち、通行の妨げになっていた約500台を路肩に移動させたという。今後も撤去作業を続ける。
冠水車は車両保険に加入していた場合は修理代などの補償対象となるが、未加入の場合は自己負担となる。軽度の水没で済んだように見えても、電装系など外からは分からない部分にダメージを受けている可能性がある。修理せずに廃棄となるケースがある一方、買い取り業者がラブコールを送っているケースも多い。
冠水車や事故車などの損傷車を買い取り、海外への輸出を事業として掲げる日本企業は複数存在する。中には120か国以上への輸送に対応する会社や、アフリカ、中東、南アジアなどに販路を持つ会社もある。
日本で「全損」と判断された車でも、海外では商品価値を持つ場合がある。例えば300万円相当の車が水没し、国内で修理すると200万円程度かかるため、経済的な理由から全損扱いになったとする。それでも海外の業者が安値で仕入れ、人件費など修理コストの低い国で再生できれば、中古車として販売して利益を得られる可能性がある。
海外の損傷車オークションでは、冠水車そのものが商品カテゴリーの一つとして売買されている。米国や中東などで事業を展開する損傷車オークションでは、車両の損傷状態として「ウオーター/フラッド(水害・冠水)」という区分も設けられている。また、日本の中古車オークションから海外バイヤーが損傷車を買い付けるビジネスも存在する。
中古車事情通は「水没の程度がひどく、エンジンや電子制御系までダメになった全損車でも、日本車なら部品に商品価値が残ることがあります。エンジンやトランスミッション、ドア、ライト、ホイールなど、使える部品を取り外し、いわゆる〝ドナー車両〟として利用するためです。実際、ニュージーランド当局は日本から輸入される水害車などを想定した検査・修理認証制度を設けています」と指摘する。
日本の冠水車を含めた損傷車には海外にも販路があり、パキスタンやUAE、アフリカ諸国、ニュージーランドなどでは日本の中古車・損傷車が流通している。
中でもUAE、とりわけドバイのジュベル・アリ港は、日本から輸出される中古車の中継拠点の一つだ。日本から運ばれた車両はUAE国内で販売されるだけでなく、東アフリカや中東、中央アジアなど第三国へ再輸出されるケースもある。












