検察の不祥事が止まらない。大阪地検の元検事正が部下の女性検事への準強制性交罪で逮捕、起訴されれば、東京地検特捜部の元検事が捜査対象の女性との不適切交際で懲戒免職処分となった。信用失墜し、弱り目の検察にあの男も再び手ぐすね引いている。

 検察が不祥事のデパートと化している。2024年に元大阪地検検事正の北川健太郎被告が部下の女性検事へ性的暴行を加えたとして、準強制性交罪に問われ、公判中だ。昨年12月にはさいたま地検の検事がマッチングアプリで知り合った女性に独身と偽って交際し、捜査情報を漏洩したとして、懲戒免職処分となった。

 先月には東京地検特捜部でエース格と目された元検事が捜査対象の女性に公費で宿泊していたホテルで性的な行為に及んだとされ、週刊誌では「ご主人様を裏切るようなことは絶対にしない」と女性を服従させていたLINEの中身も報じられた。ほかにも不祥事が相次いでいる。

 政府は女性初の検事総長となった畝本直美氏が今月12日付で退任し、東京高検検事長の川原隆司氏が就任する人事を発表した。不祥事続出による引責辞任ではないとしているが、畝本氏は袴田事件での無罪判決で控訴を断念した際に「到底承服できない」との談話を発表し、袴田さん側から国賠訴訟を起こされ、物議を醸したが、最後まで後味の悪さを残した。

 ジャーナリストの江川紹子氏はXに「畝本氏は去る前に国民の前に姿を現して、数々の検察不祥事、そして袴田さん無罪判決を非難する自らの文書が検察への信頼を失墜していることについて、自分の口で謝罪・説明したらどうか…」(7月24日)と苦言を呈した。

 一連の検察不祥事で「検察に向けてのアクションをやったらどうなのか」と検察にメスを入れる好機とみているのが実業家の堀江貴文氏だ。ライブドア事件での経験から司法制度改革をライフワークとしている堀江氏は15年に取り調べの録音、録画の義務化や司法取引の導入などが議論された際に国会で参考人として出席。持論を展開し、注目を浴びたが、10年以上たって、再び検察改革の機運が高まっていて、動き出した。

 1日に自身のYouTubeチャンネルで先日行われた「堀江政経塾」の講義を公開した。戦前は検察、裁判所が同一組織だったことから現在も裁判官と検察官の判検交流(刑事分野は12年に廃止)が行われ、公平性が保たれていない歴史や人質司法に代表される検察の捜査に疑問を呈し、特捜部の廃止や検察審査会の権限強化などを提言。昨年11月に名誉毀損で逮捕、起訴された立花孝志被告が9か月以上も勾留されている状況も問題視した。

 与党内でも稲田朋美元法相が再審制度の見直し議論で、検察を真っ向から批判し、森雅子元法相が中心となって、元大阪地検検事正の準強制性交罪事件で、第三者委員会の設置を平口洋法相に提言するなど検察改革に声を上げている。影響力の大きい堀江氏の仕掛けと合わせ、さまざまな動きが出てきそうだ。