北中米W杯準々決勝(11日=日本時間12日、米国マイアミ)、イングランドが延長戦の末に2―1でノルウェーを撃破したが、前半アディショナルタイムに生まれたイングランドの同点ゴールの直前にボールがカメラのワイヤーに接触したとの論争が大きな波紋を呼んでいる。そして、ブラジルの著名ジャーナリストが国際サッカー連盟(FIFA)のボールセンサーが適切に作動しなかった可能性をズバリ指摘した。

 問題の場面では、ノルウェーGKエルヤン・ニラン(セビリア)のゴールキックがピッチ上方に設置されたカメラのワイヤーにわずかに触れて弾道が変わり、これをイングランドのFWハリー・ケイン(バイエルン・ミュンヘン)が拾ってカウンターを発動。MFジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)の同点ゴールが生まれた。

 米放送局「FOX」が一連の様子が収められた動画を公開すると大論争に発展。国際サッカー評議会(IFAB)の競技規則によると、ボールが天井やオーバーヘッドカメラのケーブル、ワイヤーなど、競技場の上方に吊り下げられた備品に当たった場合、審判はプレーを中断しなければならない。この状況における正しい試合再開方法は、ワイヤーとの接触後に最初にボールへ触れたチームにドロップボールが与えられることであるとの指摘が続出している。

 FIFAはボールに埋め込まれたセンサーが反応しなかったとのデータを公開。ボールがワイヤーに触れた確証が得られなかったとの声明を発表した。しかし明らかに目視で弾道が変わったとの指摘が相次いでおり、さらにFIFAが論拠としたボールセンサーが作動していなかった仰天の可能性も浮上した。

 米スポーツ専門放送局「ESPN」などでも解説を務めるブラジルの著名ジャーナリスト、レオナルド・ベルトッツィ氏は自身のXで「センサーはゴール時のプレーでカメラケーブルへの接触を表示していないが、その仕組みを見ると表示しようがないのも理解できる。アンテナは芝の高さにあるからだ」との見解を示した。

 FIFAが公開しているボールセンサーの図解などを表示しながら、センサーが作動するのはピッチ上の範囲に限られており、今回のケースではゴールキックにより蹴り出されたボールがかなりの高度まで達したため、センサーのデータをアンテナが感知できなかったと指摘した。

 ESPNなどを始め大手メディアから弾道が変わったことを示す映像や画像が続々と出てきており、ノルウェーを敗退に追い込んだ〝イングランド疑惑のゴール〟はさらに物議を醸しそうだ。