北中米W杯1次リーグJ組最終戦(27日=日本時間28日、米国・カンザスシティー)、アルジェリアはオーストリアと3―3で引き分け、J組3位で決勝トーナメント進出を決めた。オーストリアも同組2位で突破し、両チームが生き残ったが、過去の因縁が交錯する死闘となった。

 この試合は、キックオフ前から引き分けであればどちらもリーグを突破できることが確定しており「談合試合」になることが懸念されていた。実は両チームには、談合に関する歴史的因縁があったからだ。

 1982年スペインW杯1次リーグ最終戦、西ドイツ対オーストリアでのこと。「西ドイツが1―0または2―0で勝てば両チーム突破となり、前日に全日程を終えていたアルジェリアが脱落する」という状況で、前半10分に西ドイツが先制しそれ以降は、両チームがただただ自陣でボールを回し続けた。この試合は多くの非難を受け〝ヒホンの恥〟と呼ばれ、86年大会からはグループリーグ最終戦が同時開催されるようになった。

 そんな中、行われたこの日の試合は、前半から両チームが得点。後半15分に、アルジェリアのFWリヤド・マレズが2―2の同点ゴールを決めてからは静かな展開になった。「やはり最後は流して引き分けか」という空気が漂っていた同48分、過去の雪辱のようにマレズが勝ち越し弾をネットに突き刺した。

 これで会場の空気は一変。目の色を変えたオーストリアに終了間際の同点弾を許したが、談合試合とは対極の激しい打ち合にサポーターから大きな拍手が送られた。

 試合終了後、2得点のマレズは「真剣に、厳格に試合に臨んだ。勝つこともできた内容で引き分けに終わったが、突破できたことが一番重要」とコメント。最後まで勝負に集中したアルジェリアは、ラウンド32でスイスと対戦する。