「カリフォルニア・ダービー」でドジャースに勝っても、サンフランシスコの火種は消えない。ジャイアンツの大器起用を巡り、米ファンの不満が一気に噴き出している。

 インド系の米メディア「スポーツキーダ」は11日(日本時間12日)、ジャイアンツが球団トップ有望株のブライス・エルドリッジ内野手(21)を昇格させながら、出場機会を限定している現状にファンから批判が相次いでいると報じた。

 エルドリッジは4日(同5日)にメジャー再昇格。トリプルAサクラメントで30試合に出場し、打率3割3分3厘、5本塁打、22打点と結果を残した上で呼ばれた。MLBパイプラインでも球団1位、全体20位に位置づけられる逸材だ。

 だが、昇格後は先発出場が限られ、11日のドジャース戦(ドジャースタジアム)でもベンチスタート。ナ・リーグ西地区4位に沈むチームは9―3でドジャース相手に勝利したものの、若き大砲の扱いを巡る疑問はむしろ膨らんだ。

 背景にあるのは、ラファエル・デバース内野手(29)とケーシー・シュミット内野手(27)の存在だ。トニー・ヴィテロ監督(47)はドジャース戦前、デバースを「打線最大のインパクトとなる存在」、シュミットを「ここまでの最高の生産者」と位置づけ、両者を簡単に外せない事情を説明した。この日の試合でもデバースは5号ソロを含む2安打2打点3得点、シュミットも2安打3得点。結果だけを見れば、指揮官の判断は的中した格好だ。
 
 ただし、勝利と育成は別問題でもある。SNS上では「これは組織的な大失敗だ」「それなら昇格させるべきではなかった」「また有望な若手をダメにした」と厳しい声が続出。昨季終盤に20歳でメジャーデビューし、今季こそ本格定着を期待されたエルドリッジが、代打要員に近い扱いとなれば、実戦感覚を失うリスクは避けられない。

 本人は「自分の判断ではない。どんな状況でもチームに貢献するためにいる」と冷静に受け止めている。しかし、同日現在で17勝24敗と低迷するチームにおいて打線再建の切り札として呼び寄せたはずの有望株を、勝ち始めた途端に使い切れない構図は皮肉だ。

 ジャイアンツが本当に大器を育てる気があるのか。2連勝の裏側で、サンフランシスコの編成と現場の覚悟が問われている。