大相撲夏場所2日目(11日、東京・両国国技館)、大関霧島(30=音羽山)が幕内義ノ富士(24=伊勢ヶ浜)を突き落として連勝発進した。

 春場所を制して2年ぶりに大関復帰。〝再デビュー〟の場所で上々の滑り出しに「相手を見ながら。良かったと思います。一番一番、気持ちですね」と手応えを口にする。初日の取組で右太もも裏を痛めた横綱豊昇龍(26=立浪)が、この日から休場。2横綱1大関が不在の状況にも「全く意識していない。自分の一番だけに集中していけばいい」と強調した。

 再起を遂げた大関は、モンゴルの首都ウランバートルから約700キロ離れたドルノド県出身。牧畜をしながら移動を繰り返す遊牧民だったことでも知られる。「二代目霧島後援会」事務局の室谷琴乃さん(33)は、2015年1月に当時18歳で角界入りを決断した霧島を成田空港まで迎えに行った。

 かつては苦労もあったようで「最初は日本語が通じなくて、大丈夫かなと。食べて大きくならないといけないスポーツなのに、遊牧民として育っているから野菜も食べない。肉とかオレンジジュースしか飲み食いしていなかった。18歳で日本に来て言葉も通じなくて(母国の両親などに)隠れて電話もしていたと思う」と振り返る。

大関復帰会見でに、音羽山親方(左)と家族と記念撮影する霧島
大関復帰会見でに、音羽山親方(左)と家族と記念撮影する霧島

 今では納豆、すしを食べるなど日本の生活に完全に適応。そして、新たな家族の存在も支えとなっている。ともに暮らす長女アヤゴーちゃん(6)、長男トゥグドゥルくん(0)を持つ2児のパパ。室谷さんは、その人柄を「付け人に対しても優しいし、すごく子供をかわいがる。(娘が)『パパは絶対に怒らない』と言っているぐらいだから」と仲むつまじい様子を明かした。

 これまで3度の優勝を遂げたのは、いずれも地方場所だ。室谷さんは「国技館でも優勝してほしいし、横綱にもなってほしい」と大きく期待。恩人からのエールを胸に、2場所連続Vへ突き進む。