朝起きても疲れが回復していないと感じることはないだろうか。それは体が求めるだけの睡眠を取れていない証拠だ。そんな状態が続くと体にダメージが積み重なってしまう。そうならないように、いい睡眠習慣をつける方法を専門家にアドバイスしてもらった。

【体が求めるだけの睡眠を取れないとダメージが積み重なる】

「寝つきが悪い」「夜中に目が覚める」「朝起きても疲れが回復していない」と自分で感じるようなら十分な睡眠が取れていない。体が求める睡眠を取れていない状態が続くとダメージが積み重なっていくことになる。

 そうなると、例えばイージーミスやうっかり忘れが多くなったり、仕事や勉強のパフォーマンスが低下したりする。睡眠が足りないことによってストレスが高まることを指摘する専門家もいる。

 ストレスチェック研究所アナリストの押切愛里さんによれば「睡眠に関する最近の調査結果で私が特に注目しているのは、睡眠時間が短い人ほどストレスが高く、睡眠時間が長い人ほどストレスが低いという関係が明らかになったことです」という。

 同研究所の2023年度調査で、6時間の睡眠を境に睡眠時間が短い人ほどストレスが高く、睡眠時間が長い人ほどストレスが低い結果が出たのだ。同研究所は企業の健康管理や職場環境改善のサポートをする株式会社ドクタートラスト(東京都渋谷区)内に設置された研究機関であり、同社の受託したストレスチェックサービスを利用した累計受検者323万人超のビッグデータ(国内最大規模)を活用し、様々な分析を行っている。

 この調査結果は発表当時に本コラムでも紹介したことがあるが「少なくとも6時間以上の睡眠を確保することが、ストレス予防のカギと言えそうです」と押切さんはアドバイスする。

【寝だめでは睡眠時間不足を取り戻せない】

 この他、別の調査結果では睡眠時間が不足するほど生活習慣病の罹患率が上がる可能性も指摘されている。ところが日本人の睡眠は概して世界の中でも短いことが知られている。一日あたり平均睡眠時間では世界の先進国の中では最も短いというデータもあるのだ。

 ではどうすればいいのかは、はっきりしている。十分な睡眠を取ることしかない。

 睡眠不足を解消する方法に関して、一時期は平日に不足した睡眠時間は週末などにたっぷり眠ることによって平日の不足分を補うことが推奨されたこともあった。いわゆる「寝だめ」である。

 このため週末に寝だめする人もいるのだが、実は寝だめは体への負担が大きい。そんなデメリットもある方法よりも、いい睡眠習慣をつけることが推奨されている。

 そこで次回後編では、いい睡眠習慣をつけるためにどう自分の睡眠を管理するといいのかを聞く。