体重増加が多い人ほど、平均睡眠時間が短い人の割合が多いという調査が報告されている。専門家に調査結果について聞いた。 

【体重増加と睡眠時間】

 ストレスチェックのデータを分析すると、体重が増えた人には睡眠時間が短い人が多いという結果が出ている。

アナリストの押切愛里さん
アナリストの押切愛里さん

「私どもの調査で注目されるポイントの一つは、平均睡眠時間が短い『5時間未満』の割合が最も高いのは、体重が『かなり増えた(5㎏以上)』グループという結果でした」と説明するのはストレスチェック研究所アナリストの押切愛里さんだ。

 この調査では1年間の体重変化を尋ねて、体重が「かなり増えた(5㎏以上)」「増えた(3~5㎏)」「やや増えた(2~3㎏)」「変わらない(2㎏未満)」「減った」という体重変化別にグループ分けして、それぞれのグループについて平均睡眠時間を調べている。

 その結果、「5時間未満」と睡眠時間が短い回答者の割合が最も多かったのが、体重増加が最も多かったグループだった。「かなり増えた」グループの21・8%、つまり5人に1人以上が睡眠時間5時間未満なのだ(図1)。

 ちなみに1年間の体重変化に対する回答者の内訳は図2の通り。「変わらない(2㎏未満)」というグループが全体の55・2%を占め、最も多くなっている。

 同研究所は企業の健康管理や職場環境改善のサポートをする株式会社ドクタートラスト(東京都渋谷区)内に設置された研究機関であり、同社の受託したストレスチェックサービスを利用した累計受検者264万人超のビッグデータ(国内最大規模)を活用し、さまざまな分析を行っている。

【働く人が定期的に受けるストレスチェック】

 ストレスチェックとは働く人のストレス状況を定期的にチェックする検査のことだ。昨今の健康経営の広がりによって、働く人がストレスチェックを定期的に受ける制度がメンタルヘルス対策として広まっているが、2015年からは従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐ目的で50人以上の事業所には年1回ストレスチェックの実施が義務付けられている。

 ストレスチェックでは、働く人は質問に答えることで自身のストレス状態を知ることができる。また会社は検査結果を分析することで職場環境の改善に生かすことができる。

 そうしたストレスチェックサービスの受検者データの分析から明白になったのが、体重増加が睡眠時間と密接に関連しているというポイントなのだ。アナリストの押切さんも「生活習慣を整えることが心身の健康を守るための第一歩になりますのでご自身で体重変化をセルフチェックされるといいのではないでしょうか」とアドバイスする。

 さらに、睡眠時間だけでなくストレスも体重変化に関連している。同じ調査では、1年間で体重が5㎏以上増加した人はストレスが低いグループよりも高ストレスグループの方が割合が多い結果も出ている。ストレスが高いと太りやすいというわけだ。

 次回は、その調査結果について尋ねる。