ミラノ・コルティナ五輪で、日本勢は過去最多となる24個のメダルを獲得。注目を集めたフィギュアスケートではペアの〝りくりゅう〟こと三浦璃来(24)、木原龍一(33=ともに木下グループ)組の金を含む6個のメダルを手にした。世界の大舞台で好結果を残したスケーターのパフォーマンスを、五輪2大会連続出場の鈴木明子さん(40)が総括。メダルラッシュの裏に〝元気印〟の存在を挙げた上で、4年後の団体金メダルにも期待を寄せた。

団体銀を獲得した(左から)坂本花織、佐藤駿、鍵山優真、吉田唄菜、森田真沙也、三浦璃来、木原龍一
団体銀を獲得した(左から)坂本花織、佐藤駿、鍵山優真、吉田唄菜、森田真沙也、三浦璃来、木原龍一

 今大会は団体で銀に輝くと、ペアは〝りくりゅう〟がショートプログラム(SP)5位から大逆転で頂点の座を奪取。女子は坂本花織(25=シスメックス)が銀、中井亜美(17=TOKIOインカラミ)が銅、男子は鍵山優真(22=オリエンタルバイオ・中京大)が銀、佐藤駿(22=エームサービス・明大)が銅メダルを獲得した。

 メダルラッシュの裏では、経験豊富な坂本がチームの雰囲気づくりに尽力。鈴木さんは「精神的な支柱というか、太陽みたいに周りを照らしたことで、それぞれが自分の力を発揮できるようなサポートも続けてくれた。彼女の功績はとても大きい」と指摘した。

 団体でも坂本は盛り上げ役としてリンク内外でチームをけん引。SP、フリーともに1位となり、2大会連続の銀に大きく貢献した。王者・米国に敗れはしたものの、その差はわずか1点だった。「米国を追い詰めるところまで迫れたのは、ものすごく大きな意味がある。坂本選手のおかげでチームがまとまったと思うし、今回の結果で4年後の団体金も見えてきた」と評価。アイスダンスのレベルアップは必須だが「前向きに捉えられる課題ではあると思う。ここから積み重ねていくことで金へのチャンスは十分にあるのでは」との見方を示した。

坂本花織を中心に「一丸」ムードができあがっていった
坂本花織を中心に「一丸」ムードができあがっていった

 米国は団体で金を勝ち取るも、男子SPとフリーの両方に〝4回転の神〟イリア・マリニンを投入した代償は大きかった。疲労が残る中で迎えた個人戦では、フリーでクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)のミスを皮切りに大崩れ。鈴木さんは「男子の最終グループはみんな硬かったし、マリニン選手もあそこまで失速するとは思わなかった。4年に1度の舞台で、いつも通りの演技をする難しさを改めて感じた試合だった」と振り返った。

 その一方で〝りくりゅう〟は、勝負どころで本来のパフォーマンスを発揮。課題と言われたカップル競技での快挙は、日本フィギュア界にとって大きなプラスとなりそうだ。「金メダルを取ったことで、たくさんの人にペアを知ってもらえるきっかけになったと思うし、ペアを目指す選手が増えたり、裾野が広がっていくことにも期待したい」と胸を膨らませた。

 何が起こるかわからないのが五輪という舞台。ミラノの地で得た自信と収穫を足掛かりにして、日本勢は4年後に向けてさらなる高みを目指していく。