昨年12月に東京・赤坂の高級個室サウナ店「サウナタイガー」(営業停止中)で夫婦が死亡した火災で、運営会社社長A氏が「前社長B氏に対してサウナ室のドアノブを押しドアに交換するよう提案したが、断られた」と話していることが19日、明らかになった。
提案通りに押しドアに交換されていれば、夫婦はサウナ室に閉じ込められることはなく、火災を防げた可能性が高い。
A氏はドアノブが外れたり、ぐらついたりすることが複数回あったことを認識し、工事業者からも押しドアに交換するよう提案されたそう。これをB氏に伝えたが「(サウナ室内の)密閉性が保たれない」との理由で断られたという。
殺人など凶悪犯罪を担当する警視庁捜査一課がこの火災を調べており、当局が重大事案と受けとめていることがうかがえる。捜査一課はB氏にも関心を寄せており、B氏と火災の関連性を洗っている。19日には業務上過失致死の疑いで、B氏が現在、代表を務める千葉市の訪問買い取り会社C社への家宅捜索に踏み切った。
C社は〝押し買いトラブル〟を起こして現在、消費者庁による業務停止命令期間中でもあった。
消費者庁の昨年11月の文書によると、C社は一般家庭に電話を掛け、不用品の買い取りを申し出て実際に買い取る会社。C社が同庁から違反を問われたのは、悪質な訪問買い取りから消費者を守る特定商取引法(特商法)の違反だった。
C社従業員は、ある一般家庭に電話を掛け、マッサージチェアの買い取りを申し出てOKを取り付けた後、当該家庭を訪問。そこでいきなり宝石や貴金属の買い取りも申し出た。相手は宝石や貴金属を売るつもりはないと断ったが、これを押し切って売買契約を結んだ。押し売りの逆――押し買いだ。また、C社従業員はクーリング・オフ期間は当該物品の引き渡しを拒否できることも告げていなかった。
売るつもりはないと断った人に対して買い取りを申し出ること、クーリング・オフの告知をしないことは特商法違反に該当する。
消費者庁は他にも特商法違反事例が確認されたとして昨年11月~今年8月の9か月間、C社に業務停止を命じた。押し買いトラブルとサウナ店火災に直接の関連性はないが、サウナ店の火災はC社の業務停止命令期間中に起きたわけだ。消費者庁は、B氏が一連の押し買いトラブルで「主導的な役割を果たしていた」とも認定していた。
サウナ店火災の全容解明には、B氏のドアノブに対する認識がポイントになりそうだ。











