〝リビーニョの奇跡〟を巻き起こした。ミラノ・コルティナ五輪のスノーボード女子ハーフパイプ(HP)決勝が12日(日本時間13日)に行われ、17歳のチェ・ガオン(韓国)が、同国史上初めて雪上種目で金メダルを獲得した。

 チェは1回目のランで技を行った際にバランスを崩し、全身を激しく強打。転倒したままその場で動けなくなり、救急隊が出動して担架も運び込まれた。応急処置を受け、なんとか自力でコースを滑り降りた。

 2回目も続行したものの、まともに技を決められる状態ではなく、またもや転倒。万策尽きたかと思われたが、3回目で大雪が降りしきる悪天候の中、大技を次々と成功。この日唯一、90点超えの驚異的なパフォーマンスを見せ、奇跡の逆転優勝を遂げた。

 試合後にチェは「まだ信じられない気持ち。電光掲示板に(自分の順位が)載った後、点数が見られなくて。隣にいた日本の選手が(1位だと)教えてくれて、その時は少し驚いた。それにヒザがすごく痛くて、少し意識がもうろうとしていた」と笑顔で明かした。

 今大会に向けては「プレッシャーは全くなかった。五輪に出場できただけでも光栄なこと。ただ楽しく、普段通りに滑ろうと考えて、余計なことは考えないようにしていた」という。

 1回目の負傷シーンについては「実は転んだ後、最初は『ああ、このまま諦めなきゃいけないのかな』と(コースの上で)すごく泣いた。でも歯を食いしばって歩き始めたら、少しずつ足に力が戻ってきた。その時から『少し気持ちを楽にしてまたやってみよう』と思って、再び乗ることを決めました」と説明した。

 その上で「3回目のランで不安はあったけど、実際のところ私は(競技中に)一度転ぶと、むしろ強くなるタイプ。それに練習では一度も転んだことのないランだったから、自分の足さえしっかり支えてくれれば、うまくやれると思っていた。緊張はしていなかった」と大きく胸を張った。

 不屈の精神でチェが復活Vを遂げた。