今季から導入されるMLBトレード期限の変更は、各球団の編成担当者を大いに悩ませているようだ。米メディア「ファンサイデッド」傘下のブルージェイズ専門サイト「ジェイズ・ジャーナル」はブルージェイズにとってもかなりの逆風になりかねない、と警鐘を鳴らしている。

 MLBは28日(日本時間29日)、今季のトレード期限を8月3日月曜日午後6時(米東部時間)に設定すると発表した。2022年の労使協定では7月28日から8月3日までの間でMLBコミッショナー任意の日付を選択できると定められているが、最終日を締め切りとするのは今回が初めてだ。

 昨年は米国東部時間7月31日午後6時だったデッドラインが、今年は〝3日遅れ〟となった。今年の8月3日当日は全30球団で15試合が組まれ、全てナイター。これにより、いわゆる「逃げ道」とされてきたデーゲーム開催が消え、全30球団が完全に足並みをそろえた状態で決断を迫られることになる。

 同サイトは、この変更が特に優勝争いを見据えるブルージェイズにとって重い意味を持つと指摘する。ロス・アトキンスGM(52)が考慮すべき最大の論点は、期限日まで待つことで〝レンタル選手〟の稼働試合数が減る点だ。わずか〝3日遅れ〟とはいえ、シーズン終盤の3試合は順位表を大きく動かし得る。

 実例として挙げられているのが昨季の情勢だ。締め切り3日前の昨年7月28日(現地時間)時点で、レンジャーズはワイルドカード(WC)最終枠と0・5ゲーム差。レイズ、ガーディアンズ、エンゼルス、ロイヤルズも射程圏内にいた。ところが3日後には差が拡大し、買い手と売り手の線引きがより鮮明になった。つまり期限が後ろ倒しになるほど、補強判断はシビアさを増すというわけだ。

 一方のブルージェイズは25年のデッドライン当日となった現地時間7月31日に、WC争いで後退し〝売り手〟となったガーディアンズからシェーン・ビーバー投手(30)を獲得するなど積極策を取った。結果的にビーバー不在でも、トレード相手のガーディアンズはレギュラーシーズン最終盤において「史上最大」と評される劇的な大逆転でア・リーグ中地区優勝を果たした。

 とはいえ、このような都合のいいシナリオが今季も繰り返される保証などどこにもない。「しかもアトキンスGMは実際の期限日よりも前に取引を成立させようとすることを習慣にしている〝超慎重派〟。果たして今年も同じようにドラスティックかつシビアな状況決断を下せるのだろうか」という問いは、今季のブルージェイズに重くのしかかる。

 ブルージェイズは今オフにディラン・シース投手(29)や岡本和真内野手(29)を獲得するなど大型補強に乗り出し、33年ぶりのワールドシリーズ制覇へ心血を注いでいる。大願成就を成し遂げる意味でも「8・3」のジャッジは重要な岐路になりそうだ。