これが高市流のケンカ手法だ。高市早苗首相は19日に会見し、23日召集の通常国会冒頭で衆院を解散する方針を発表した。27日公示、2月8日投開票で、解散から投開票まで戦後最短となる16日しかない前代未聞の選挙戦だ。身内をも完全に油断させた不意打ち解散に賛否あるが、奇襲戦に出た結果はどうなるのか――。
高市首相は会見冒頭、「高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうか? 国民の皆さまに決めていただく。それしかないと考えた」と解散理由を切り出した。先月17日の臨時国会閉会後に高市首相は「解散を考えているヒマはない」と通常国会に集中する考えを示し、解散は早くても予算成立後の春とみられていた。
ところが、年明け9日に解散検討の意向が伝わり、日本中は寝耳に水となった。総裁選で後押しした麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長にも事後報告での不意打ち解散は、師事した安倍晋三元首相の手法を参考にしたといわれるが、先手必勝を予想していたのが立憲民主党の原口一博衆院議員だ。
松下政経塾で高市氏の1年先輩に当たる原口氏は16日のネット番組で「ちょっとあんまり大きな声では言えないけど、(高市首相は)元ヤンキーですから。絶対に先制攻撃するに決まっている。これでも遅いぐらい。もっと早くやりたかった。いまさら急にやられたなんて。けっこうしたたかで、頭がいい」と評した。
高市首相は松下政経塾の入塾試験会場に革ジャンを着込んで、単車で乗り付け、愛書はバイク漫画「バリバリ伝説」。自身のホームページでも愛車として、カワサキのZ400GPの写真を掲載し、青春時代は不良でヤンチャしていた過去を赤裸々に語っていた。ヤンキーのケンカ手法はさまざまだが「やられる前にやる」「卑怯といわれても」と結果的に伝家の宝刀をここ一番で抜いての高市流「ヤンキー解散」となる。
突然の解散に慌てふためいた立憲民主党と公明党は新党「中道改革連合」を結党した。昨年から準備をしていたというが、党名からロゴ、綱領と急ごしらえは否めず、ネットでは「中革連」「中国の外交部のロゴとそっくり」「中国語のフォントでよく使われるもの」と連日のイジリは止まらない。さらに中道が掲げた食料品の消費税ゼロにも高市首相は「私自身の悲願」と2年間限定の食料品の消費税ゼロを公約にかぶせ、争点つぶしにも抜かりはない。
朝日新聞の世論調査では中道に「期待する」は28%、「期待しない」は66%でスタートダッシュもつまずいている。「希望の党騒動で、旧民主党の民進党は保守系の希望、国民民主党とリベラル・左派系の立憲に分かれて一定の整理がついた。今度の衆院選でも高市首相は立憲と公明の接近情報をつかんでいたはずで、リベラル系に壊滅的な打撃を与えたい思惑もあるでしょう」(永田町関係者)
高市首相はこうタンカを切った。「自民党と維新で過半数の議席を賜ることができれば、高市総理の続投。そうでなければ、野田総理なのか斉藤総理なのか別の方と考える。間接的ですが、国民の皆さまに内閣総理大臣を選んでもらうことになる。内閣総理大臣の進退をかける」。3週間後には結果が出る超短期決戦が始まる。












