東大大学院の共同研究をめぐる汚職事件で一般社団法人「日本化粧品協会」代表理事の引地功一被告(52)の初公判が東京地裁で開かれ、引地被告は東大のコンプライアンス通報窓口に通報したが「東大は無視でした」と証言。東大が24日までに取材に応じ、証言に対する見解を述べた。

 起訴状によると引地被告は、元教授の佐藤伸一被告(62)と元特任准教授の吉崎歩被告(46)の両被告に共同研究の便宜を受ける見返りに、高級クラブや風俗店で約380万円の接待を行った。引地被告は研究を打ち切られるとことを恐れ、要求されるまま接待に応じ続けた。しかし2024年8月に佐藤被告から「殺すよ」などと脅されことで警察に相談。同時に東大のコンプライアンス通報窓口に通報したが「東大は無視でした」と証言した。

 東大のコンプラは機能しなかったのか。東大に質問状を送ると以下のような回答があった。

「2024年9月18日に日本化粧品協会(引地氏)からの内部通報を受領後、本学規則に従い、速やかに学内調査を開始いたしました。引地氏に対しては、同年9月日以降、通報対応について適時の連絡を行っており『無視された』とのことは事実ではございません」と否定。

 また「公益通報の対応にあたっては、従前より公益通報者保護法を遵守のうえ、通報の内容や事案の性質に応じて通報者に資料提供や追加情報の提供などを依頼する等、通報者とのコミュニケーションに努めてきたところですが、3月31日に提出された『プロセス検証委員会』の報告書の内容を真摯に受け止め、今後は一層通報者とのコミュニケーションの方法の改善を図り、通報者からの情報を適切に活用できるよう運用を工夫してまいります」と回答した。

 双方の主張は食い違っている。