イランの人権活動家が設立した通信社HRANA(ヒューマン・ライツ・アクティビスツ・ニュース・エージェンシー)は12日、デモ16日目にして、死者数646人、逮捕者1万721人以上と伝えた。ほかにも調査・検証中の死亡報告を579件受け取っており、死者数は1000人を超えている可能性が高いという。ロイター通信は、イラン当局者の話として死者数を2000人と報じている。
当初は、生活苦に苦しむ店主たちの抗議デモだった。インフレが進んで通貨が暴落し、食料品の価格が急騰しているからだ。抗議デモが続くうち、最高指導者ハメネイ師の独裁に対する不満が噴出した反政府デモになっている。そこで当局は1月9日からインターネットと国内への電話を遮断した。ネット遮断は100時間を超えている。
そんな中、トランプ大統領は12日、反政府デモを弾圧しているイランに圧力をかけるため、自身のSNSトゥルース・ソーシャルに「即時発効で、イラン・イスラム共和国と取引を行ういかなる国も、アメリカ合衆国とのすべての取引に対して25%の関税を支払うことになる」と投稿した。
新たな関税攻撃は、長年にわたるイラン政権への経済制裁をさらに強めることになりそうだ。
一方、イランと取引が大きいのは、中国、ブラジル、トルコ、アラブ首長国連邦、ロシアなどだ。
中国外務省の毛寧報道局長は13日の記者会見で「中国は自国の正当な権利と利益を守る決意だ」と反発した。
中国事情通は「中国はイランの最大の貿易相手で、イラン産原油の主要輸入国です。とはいえ、中国の対米輸出は2025年までに3500億ドルを超え、貿易黒字は1000億ドルになると予測されています。トランプ大統領による25%の関税導入は、中国の対米輸出に大打撃を与えますから、中国としてはイランとの取引を減らしたり、『鎮圧をやめろ』と水面下でイランに圧力をかけざるを得なくなるでしょう」と指摘する。
トランプ氏の関税発表は、米国がイランに対する「空爆」という軍事行動を検討していると公表する中でのタイミングとなった。以前からトランプ氏は、米国の経済的ライバルは中国だと公言してきた。トランプ氏の今回の関税政策は、中国への経済的圧力を一層強め、かつイランをより厳しい立場へと追い込むことになりそうだ。












